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埼玉はダサい? 無個性? でもその埼玉が日本の消費の流行を作り出していた!

【本と雑誌のニュースサイトリテラより】

saitama_01_150207.jpg『埼玉化する日本』(イースト新書)

 昨年の流行語大賞の候補にもなった「マイルドヤンキー」。都会への憧れを持たずいつまでも地元に執着し、ミニバンで巨大ショッピングモールへ出向き、与えられるままに消費欲を発散、EXILEを聴いてサバイバルな精神性に惹かれるような層を指す。彼らは決して政治的な意見を表明しないし、かつてのヤンキーのように社会に対する抵抗心を持とうとしない。原田曜平が著書『ヤンキー経済』(幻冬舎新書)が示したこの言葉は、たちどころに消費されて誤読を呼んだ感もあるが、都会への羨望や上京願望がすっかり薄まった若者像を教えてくれた。

 この流行り言葉に対して、「マイルドヤンキーだけで消費を語るなかれ、埼玉を見よ」と高らかに宣言するのが中沢明子『埼玉化する日本』(イースト新書)だ。埼玉県を、「気取った先鋭さなど微塵もないが、いつでも最先端の文化やモノに触れられる安心感と安定感の両方」を持つ場所とし、マイルドヤンキー=消費の主役、ショッピングモール=消費の殿堂と位置づける議論を挑発する。

 ショッピングモールなんてどこでも買える代わり映えのしない商品ばかりが揃っていて、それに嬉々として飛びついちゃっている人たち……という、語られがちなショッピングモールの弊害論は単調だとする。消費行動を考える上では、消費に向かう感度の低い「川下」だけではなく、「流行や文化を創り出す『川上』を蔑ろにしていいはずがない」との指摘は端的で鋭い。ショッピングモールで何もかもの消費を終えるという単純化されたイメージは「マイルドヤンキー」という言葉を使いやすくはするものの、消費の実態からは逸れていく。

最終更新:2015/02/07 13:00
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