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ニューロティカあっちゃん、メイク下の素顔とは? ドキュメンタリー映画が描く、愛と笑いのバンド人生

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【リアルサウンドより】

 2014年に結成30周年を迎えたパンクロックバンド・ニューロティカのフロントマンであり唯一のオリジナルメンバー、あっちゃんことイノウエアツシ(ボーカル/50歳)が主演を務めるドキュメンタリー映画『あっちゃん』が遂に完成した。どこにでもある町のお菓子屋さんに生まれた男の、どこにもない生き方。筆者は、この映画の完成を心待ちにしていた。

 30年前から現在まで変わらず活動を続けているニューロティカのすべてが詰まっていると言っても過言ではないこの映画は、ドキュメンタリーとしても秀逸であり、ファンならずともあっちゃんの人間性の魅力に引き込まれて行くだろう。

 ニューロティカを知る人間が、いつもの楽しいあっちゃんの面白く笑える映画なのだろうと油断していると、涙を流すことになるかもしれない。事実、筆者もまた、冒頭早朝から寝起きの顔を腫らしながらも明るくふるまい、日常であるお菓子屋の仕入れに行く姿を見て、不覚にも涙腺が緩んだ。そこには、ピエロの姿で観客を盛り上げて楽しませる、ステージ上のあっちゃんの知られざる姿が映し出されていて、この映画が間違いなく素晴らしいものだという確信を抱かせる。

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 映画前半では旧ニューロティカのメンバーである修豚、JACKie、SHON、アキオによる回顧とともに、貴重なライブ映像や日常のお菓子屋のあっちゃんの姿を交えて進んで行く。映画全編で映し出されている、家業であるお菓子屋「ふじや」の若旦那であるあっちゃんへのご近所の印象や、お菓子屋での仕事の付き合いの人々、そして家族である母親とのシーンなどもふんだんに盛り込まれ、素のあっちゃんが感じられるところもこの映画の魅力だ。

 インディーズ時代からメンバー5人のキャラが非常に個性的であったニューロティカは、コロムビアレコードとの契約を経てメジャーデビュー。当時のバンドブームの波にも乗り人気を博していく。中学時代からの親友である修豚との仲の良さがにじみ出ているシーンや、いつもふざけているJACKieが真剣に語る姿、旧ニューロティカの縁の下の力持ち的な役割でもであったSHONとアキオの話に、当時の記憶が鮮明に蘇る人も多いだろう。

 修豚、SHON、アキオ脱退時の話や、その後、現在まで活動をともにするカタル、ナボが新たにメンバーとして加入するまでのいきさつを追うシーンでは、JACKie脱退時の貴重なラストライブの映像も収められている。JACKie脱退ライブを観た石坂マサヨ(ロリータ18号)の言葉は、当時のファンの気持ちをしっかりと代弁していて、ニューロティカの変換期の空気感が映像とともにリアルに伝わってくる。

 JACKie脱退により、ボーカルのあっちゃんだけがオリジナルメンバーとして唯一残り、新たにギターにシズヲを迎え、カタル、ナボの4人で活動を続けるに至ったこの変換期は、ニューロティカの30年史を語る上で欠かすことの出来ない重要なポイントである。いつもピエロの姿で観客を楽しませるあっちゃんの陰に隠れた苦悩とともに、映画の完成記者会見でカタルの言った「何をおいてもメンバーのことを一番に考えてくれる」という、あっちゃんの人間性がしみじみと伝わって来る。

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