日刊サイゾー トップ > その他  > 嵐の分析本がAmazon総合ランキング2位に! 現役ミュージシャンが「A・RA・SHI」の構造を分析

嵐の分析本がAmazon総合ランキング2位に! 現役ミュージシャンが「A・RA・SHI」の構造を分析

 次にアレンジに注目します。横ノリ、ブラックミュージック的である、ということがどういうことかは『WISH』の分析で詳しく書きますが、この曲は実は、一見ブラックミュージック風のようでいて、実は縦ノリのストレートなリズムです。ドラムのパターンにそれがよく表れています。イントロのキック(ドン * * * ドンドン * * *)が唯一横ノリを持っていますが、A1からキックは4つ打ちになり、その後は基本的にストレートなリズムです。ラップはもちろん、太くうねるベースの存在感、きらびやかなシンセブラス、B1のR&Bっぽいコーラス、C5のゴスペル感など、道具立てとしてはいかにもそれっぽいものをいろいろと集めておきながら、リズムフックやタメはあまりなく、基本的に前に前に進んでノリが掴みやすい構造になっています。

 そのような構造を考えると、結局本編とは異なるリズムを提示しているイントロも「実際は縦ノリだけど、イメージとしてはこういう感じ」と言っているように聞こえてきますし、A’までのギターリフはいろいろと形を変えながらも、エアロスミスの『Walk This Way』(86年にRun D.M.Cがモチーフに使用して大ヒット)を思わせます。従って、制作陣が何を狙ったかは予想するしかありませんが、「黒っぽい曲にしようとしたけどできていない」というよりは、「本質的には黒いグルーヴ感を持っていない人たちがフォーマットを模倣して遊んでいる」という表現を意図的にしているように感じます。(続きは書籍で)

■書籍情報
『嵐はなぜ史上最強のエンタメ集団になったか』
リアルサウンド編集部・篇
価格:¥ 1,500(+税)
予約はこちらから

内容紹介:ごく普通の青年たちがエンタメ界のトップに君臨したのはなぜか? 音楽性、演技・バラエティ、キャラクター、パフォーマンス…… 時代が嵐を求めた理由を、4つの視点から読み解いた最強の嵐本! 嵐の音楽はポップ・ミュージックとしてどんな可能性を持っている? 現代思想で読み解く各メンバーのキャラクターとは? 嵐ドラマは00年代の情景をどう描いてきた? 青井サンマ、柴那典、関修、田幸和歌子、成馬零一、矢野利裕など、気鋭の評論家・ライターが“エンターテイナーとしての嵐”を語り尽くす。総合音楽情報サイト『リアルサウンド』から生まれた、まったく新しい嵐エンタメ読本。

最終更新:2015/04/22 09:00
12
ページ上部へ戻る

配給映画

トップページへ
日刊サイゾー|エンタメ・お笑い・ドラマ・社会の最新ニュース
  • facebook
  • twitter
  • feed
特集

【4月開始の春ドラマ】放送日、視聴率・裏事情・忖度なしレビュー!

月9、日曜劇場、木曜劇場…スタート日一覧、最新情報公開中!
写真
インタビュー

『マツコの知らない世界』出演裏話

1月23日放送の『マツコの知らない世界』(T...…
写真
人気連載

山崎製パンで特大スキャンダル

今週の注目記事・1「『売上1兆円超』『山崎製パ...…
写真
イチオシ記事

バナナマン・設楽が語った「売れ方」の話

 ウエストランド・井口浩之ととろサーモン・久保田かずのぶというお笑い界きっての毒舌芸人2人によるトーク番組『耳の穴かっぽじって聞け!』(テレビ朝日...…
写真