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きのこ帝国・佐藤が明かす、音楽家としての”根っこ”「誰かと出会いたい一心で音楽をやっている」

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【リアルサウンドより】

 きのこ帝国が4月29日にメジャー1stシングル『桜が咲く前に』をリリースした。今回、ボーカル/ギターの佐藤千亜妃に行なったインタビューによると、叙情的で美しいメロディを持つ表題曲は、前シングル『東京』で描いた風景から10年前にさかのぼり、バンドの初心に帰るような気持ちで書かれた曲であるという。さらに佐藤は、バンドの「根っこの部分」と「変化してきた部分」を、自身の音楽観を交えて語ってくれた。

「『桜が咲く前に』みたいな曲を出すのは自分としては攻めの姿勢」

——「桜が咲く前に」はノスタルジックなミディアム・ナンバーで驚きました。一方でサウンドは、うなるギターにしてもきのこ帝国らしいです。この曲をメジャー・デビュー・シングルに選んだ理由は?

佐藤千亜妃(以下、佐藤):「選んだ」と言われると難しいんですけど、去年リリースした「東京」から10年前にさかのぼって、バンドが初心に帰る気持ちで書いた曲ですね。10年前に上京したときの気持ちと、今のレーベルを移籍する気持ちが不思議とリンクしました。

——「桜が咲く前に」を書かれたのはいつ頃なんですか?

佐藤:今年の年明けで、去年の年末にあった曲の欠片をブラッシュアップしていきました。

——それはメジャー・デビューが決まった頃でしょうか?

佐藤:メジャーの話は実はなんとなく以前からあったりして、1年ぐらい前から「どうしようか」と話し合いを始めました。「桜が咲く前に」を書いたときにはメジャー移籍は決定していましたね。

——10年前に立ち返ってみたのは、メジャー・デビューというタイミングがあったからでしょうか?

佐藤:そういうのもありますし、自分が上京して10年で、このタイミングでこの曲を出しておくと表現的にも根っこの部分が表現できるかなと思って「今しかない」と思い、書きました。

——「根っこの部分」というのはきのこ帝国の根っこの部分でしょうか?

佐藤:きのこ帝国というよりは、自分が音楽をやるうえで、どんな気持ちで上京したのかが純粋に残っている部分ですね。

——「桜が咲く前に」のレコーディングでは、インディーとは違う意識で取り組んだ面もありました?

佐藤:もっとメジャーらしさを求められるかと思ってました。派手だったり、キャッチーだったり。むしろきのこ帝国らしい硬い曲で、今までの延長線上の中で出てきている音楽なので、長く残る曲になるといいなと。常に挑戦的なことをしていきたいし、「桜が咲く前に」みたいな曲を出すのは自分としては攻めの姿勢だと思ってます。

——今までシューゲイザーやポストロック、あるいはオルタナティヴと言われてきたきのこ帝国ですが、そうした肩書きを一旦捨てる覚悟さえ感じました。

佐藤:最初からシューゲイザーだと思ってリリースしたことは一度もないんです。歌モノであり、景色や感情を表現するためのツールとして音楽を機能させているだけであって、シューゲイザーやオルタナという音楽ジャンルとしての目的を果たすために音楽をしているわけではないので、ピンとこないんです。何か琴線に触れるものがないといけないと思うんです。きのこ帝国はそういう音楽を作り続けていると思うので、ジャンルのことを言いたい人もわかるんですけど、勘違いしてほしくないのはきのこ帝国は「ジャンルにこだわっているグループではない」ということですね。

——では今「きのこ帝国ってどんな音楽をしているグループですか」と聞かれてなんと答えていますか?

佐藤:うーん、出すたびに変わっちゃうので、自分たちから触れないことが多いです。「大学時代に組んだバンドです」って。自分ではJ-POP、J-ROCKって言われて差し支えないかなと思ってます。

——佐藤さんの中でメインストリームのJ-POPとはなんですか?

佐藤:イメージだと、サザンオールスターズ、Mr.Children、エレファントカシマシ、ウルフルズ、JUDY AND MARY、川本真琴さん、あと広瀬香美さんとか。

——佐藤さんが好きなJ-POPだと?

佐藤:宇多田ヒカルさん、鬼束ちひろさん、とかよく昔聴いていましたね。

——そういうアーティストから影響は受けていますか?

佐藤:最近ライヴでご一緒させていただいたスピッツさんには、感じる部分がありました。ライヴの仕方とか、リリースしていく姿勢とか、立ち振る舞いとか。「きのこ帝国がこういうバンドになっていくといいんじゃないかな」と思いましたね。

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