オナニー、同性愛、処女喪失…NEWS加藤シゲアキの新作小説がエロい!
「薄いピンクの乳頭に口をつけると、赤津から声にならない声が漏れる」
「彼女のいやらしい毛先が僕の手のひらを撫でる。指をぐいっと押し込むと、粘った液体が僕の人差し指にまとわりつく」
と愛撫シーンは情感たっぷりにつづり、
「赤津のあそこはきつくて、僕のものがちぎれてしまいそうだった」
「交わる唾液と下半身から鳴るくちゃくちゃとした音が、どんどん僕を僕ではないものにさせた」
と快感がのぼりつめていくさまもリアル。
「すぐに絶頂がやってきて、僕は彼女の腹部に勢いよく射精した」
と幼さと激しさを併せ持つ純の性を描き切った。
純は逃げ出すかのように赤津の部屋を後にするが、右手が赤津の血で染まっていることに気づく。そしてここからの描写にこそ、アイドルの立場を捨てた、作家・加藤シゲアキの“勝負”が見て取れる。
「赤津の血はまだ僕の手にこびりついていた。ぱくりと指を咥えてみる。鉄の味が広がり、ざらざらとした感触が喉を通っていった」
処女の血を舐めるエグイ描写だが、頭でっかちにしか「性」を考えられずにケイスケとの関係を失った純が、肉体を通して「性」を受け入れたことを表す渾身の一文となっている。加藤のファンは10代・20代の女性が多い。ただでさえ異性の性的な言動に嫌悪感を持つことの多い年代だが、加藤がそこを気にもせず、半ば強引に女性を襲って「性」を体得する男の物語を紡ぐことは、かなり攻めた姿勢だと言えるだろう。
アイドル雑誌「Myojo」(集英社)15年7月号のインタビューでは、編集者ら周囲の人の指示ばかりを聞いていると、丸くなって普通のものしか作れなくなってしまう、と作家としてのスタンスを危惧していた加藤。前述の『NEWS ZERO』での対談では、「芸能人だから書き下ろしで本を出せているだけで、普通は新人賞を獲って小説家になるんですよね。その段取りを踏んでないので、賞が欲しいという意味ではなく、賞が取れるくらいの作家にならないと自分はまだ半人前」と、立場を理解した上で慎重に言葉を選びながら賞への野心をのぞかせていた。今作のアイドルらしからぬ過激描写も、作家としての野心の証かもしれない。
(江崎理生)
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