日刊サイゾー トップ > その他  > 「みんな死ね」山田孝之の病み

「みんな死ね!」と思っていた20代の前半。俳優・山田孝之が病んでいた暗黒の日々を明かす!

 前述の『21世紀深夜ドラマ読本』では、こう語る。

「仕事もそれこそ前後1年でバランスを見て選ぶので、似たような作品がなるべく続かないようにしたりとか」
「まず飽きるのもそうだし、自分が飽きるということは観る側も絶対飽きると思いますし。映画でも300館で公開するデカイのもあれば小さいのもあるじゃないですか。それは館数で選んでいるといいうよりは、わかりやすく大勢の人が観て喜ぶような作品をやったあとってそういうのを求めなかったりするので、次はかぎられたところでもいいから、もっと心にバスッと響くようなやつをやりたくなって」

「役者の仕事は、イメージがついたら終わり」。この考えが、『クローズZERO』以降の、演じる役の幅が広すぎる役者人生を歩むうえでの根幹となっている。

 そして、最近の山田孝之は、“役者としてステップアップするためにいろいろな役に挑戦したい”という役者としての本能に忠実に生きるだけでなく、プロデューサー的な仕事にも関わるようになった。

 そんな彼のプロデュース業の本格的な第一歩が『REPLAY&DESTROY』(TBS)。この作品では、出演だけでなく、キャスティングプロデューサー的な立場としても動いている。共演者に出演オファーの連絡を入れたのも彼で、オーディションの立ち会いや様々な会議にも顔を出している。

 そういった動きもあるので、この作品には、“企画 飯塚健+山田孝之”としてスタッフクレジットにも彼の名が載っているのだが、これには「今回は別に大したことはやってないですけど企画としてちゃんと名前を入れさせてもらって。こういうことをやりだしました、今もっと勉強したいです、だから誰か一緒に組んでやりましょうよというアピールでもありますね」という意図があるようだ。

 山田孝之と共演回数も多い小栗旬も、表舞台に立つ役者でありながら、映画『HK 変態仮面』で脚本協力を務めるなど、“陰のプロデューサー”として裏方の働きをする人物として知られている。山田孝之も『REPLAY&DESTROY』を契機に小栗のような存在になっていくのだろう。

 かつて山田孝之が心酔していたカート・コバーンは、遺書に「徐々に色あせていくなら、いっそ燃え尽きた方がいい」と書き残して自殺した。だが、山田孝之には「徐々に色あせていく」日も、「燃え尽きる」日も、やって来ることはなさそうだ。
(新田 樹)

最終更新:2015/06/22 13:00
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