日刊サイゾー トップ > その他  > 榎木孝明“不食”はオカルト?

不食によって神の力が手に入る!? 榎木孝明で話題の“不食”本を読んでみたら…

 実際、“ものを食べなければ餓死するのでは?”という問いに対して、山田氏はこう述べている。

〈人は餓死で死ぬのではなく、餓死の恐怖で死ぬのだと。(中略)詭弁だと思われるだろうか? 僕はまじめだ〉

「まじめだ」と言われたら、はいそうですか、としか返しようがない。だが、不思議なのは、多くの人にとっては食べることは楽しいことである。それをなぜ食べるものはあるのに、食べないとあえて拒否するのか。しかし山田氏に言わせると、不食には“不食のエクスタシー”というものがあるらしい。

〈ほしい物がないという歓びだ。食べたいものがないという歓び。この延長として、人間の歓びではない状況、仕事がない、お金がない、セックスがないという歓びをどう伝えられるだろうか〉

 煩悩を絶つ。これは多くの宗教で悟りを開くために謳われることと同じだが、もしかすると“不食”の根源にあるのは、この“世俗的な欲に打ち勝つ歓び”なのかもしれない。事実、榎木氏も不食11日目に〈欲は自分でコントロール出来る事を実感します〉とFacebookに綴っている。そして、山田氏も〈自慢できる魚沼のコシヒカリを作っていながら、僕は食べていない!〉とハイテンションだ。

 ただ、やっぱり気になるのは、この“不食”の思想には、疑いようもなくスピリチュアル要素が入っているという点だ。榎木氏は〈どの宗教にもオカルトにも一切荷担はしていません〉と述べてはいるが、会見では「おそらく空気中から人間はエネルギーを取れますね」という驚きの発言を行っている。じつは、山田氏の本でも〈人間は食以外でもエネルギーを摂取して生存を継続できる〉と書いてあるのだが、当然のことながらこれに科学的根拠などまったくない。

 また、榎木氏は過去にも、「催眠療法を応用して前世を人に見せることも…(できる)」「もう何百回 転生してますから…」(「FLASH」10年10月5日号)と述べたり、「ダライ・ラマは、とっても霊格の高い方」(「ELLE japon」1991年7月20日号)とインタビューに答えたりなど、結構なオカルト度であると見受けられる。ほんとうに榎木氏はその自覚がないのか、はたまた隠しているのだろうか……。

 というわけで、安易な気持ちで“不食”に手を伸ばすのは、いろいろな面で危なそうなので、お気をつけいただきたいと思う。
(大方 草)

最終更新:2015/06/29 13:00
123
ページ上部へ戻る

配給映画

トップページへ
日刊サイゾー|エンタメ・お笑い・ドラマ・社会の最新ニュース
  • facebook
  • twitter
  • feed
特集

【4月開始の春ドラマ】放送日、視聴率・裏事情・忖度なしレビュー!

月9、日曜劇場、木曜劇場…スタート日一覧、最新情報公開中!
写真
インタビュー

『マツコの知らない世界』出演裏話

1月23日放送の『マツコの知らない世界』(T...…
写真
人気連載

水原解雇に間に合わなかった週刊誌スクープ

今週の注目記事・1「水原一平“賭博解雇”『疑...…
写真
イチオシ記事

さや香、今年の『M-1』への出場を示唆

 21日、『アメトーーク!』(テレビ朝日系)で「賞レース2本目やっちまった芸人」の完結編が放送された。この企画は、『M-1グランプリ』(同)、『キ...…
写真