日刊サイゾー トップ > 海外  > 中国人の愛国心は「株」次第!?
中国“ヤバい”漫画家・孫向文の「チャイナめった斬り」

庶民の愛国心は「株」次第!? カネがなくても中国人が株に手を出すワケ 

 そんな株の売買を加速させたのが、極端なインフレでした。例えば、2008年ごろは10元(約200円)で購入できていたパンが、15年には18元(約360円)出さなければ購入できないほど物価が上昇したのです。つまり、手元にあったお金の価値が、たった5年間で4割ぐらい目減りしました。こうなると、そのお金を使わずに眠らせているのはバカのやることで、さらに株を買いまくります。このように今回の株暴落によって最も損失を被ったのは、お金に余裕のない庶民だったのです。

 先日は、株をやっているおばさんたちが、証券取引所の前でずっと「株価よ、上昇しろ!」と歌っていました。そして株価が5パーセント上昇した際には、全員、歓喜して中国国歌を歌い始めました。つまり、彼らにとっての愛国心というのは「株」次第なのです。株価が下がったら、中国への感謝の気持ちなど起こりようがありません。

 中国政府も、株価暴落に対しては異常なまでに注意を払っています。機関メディアは、「株価暴落はアメリカのせい」とまくし立てて報道しました。アメリカのメディアが中国株の悪口ばかり報道したことにより、一部の企業がたくさん売り払い、中国の株価が下落したという論理でした。それに対して、ある程度の知識がある中国人は、「今度は安倍(総理)に責任転嫁するぞ」と皮肉っぽくネットに書き込んでいます。

 現在、中国政府は「中国の株はまだまだ希望があり、上昇する」と語っています。確かに株価は持ち直しましたが、これが中国政府の必死な対応によるものであることは言うまでもありません。もしも、また大暴落するようなことがあれば、中国の庶民たちの愛国心は一気に消えうせ、全国で暴動が起こる可能性は十分にあるでしょう。

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●そん・こうぶん
中華人民共和国浙江省杭州市出身の31歳。中国の表現規制に反発するために執筆活動を続けるプロ漫画家。著書に、『中国のヤバい正体』『中国のもっとヤバい正体』(大洋図書)、『中国人による反中共論』(青林堂)がある。
<https://twitter.com/sun_koubun>

最終更新:2016/01/27 17:53
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