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アイマス、ガルパン、血界戦線…相次ぐアニメのスケジュール破綻はアニメ業界崩壊の前触れか?それとも…

 地上波ドラマなどではあまり考えられない状況だが、なぜこんな事態が起きているのか。昔に比べアニメ全体のクオリティは格段に上がる一方で、制作が追いつかなくなっているのだ。とくに大きな予算と人員が注ぎ込まれているビッグタイトルでの制作スケジュールの破綻が目につくようになっている。

 逆に現代では少なくなったがスケジュールと予算不足でクオリティを保てず“作画崩壊”という現象を起こすケースもある。制作現場は、作品のクオリティをとるか、予定通りのスケジュールをとるか、という状況に追い込まれているのである。アニメの制作現場の過酷な労働環境はよく指摘されることだが、これらの現象は単に制作進行の問題ではなく、アニメ業界が崩壊する前触れなのかもしれない。

 実はアニメ業界では以前にもバブル崩壊ともいえる事態が起きたことがある。今までで一番アニメの制作本数が多かった2006年を境にバブルが弾けるようにしてアニメ業界のシュリンクがはじまったのだが、2010年を底にして再び制作本数が増えてくるようになってきた。一般社団法人日本動画協会が発行する『アニメ産業レポート2014』によれば、2006年のTVアニメ制作本数は279本、そして2013年のTVアニメ制作本数は271本。制作本数はいま再びピークに近づいており、アニメ制作側のキャパシティを再び超える日も近いのかもしれない。

 もうひとつ気になるのは、制作本数が増えているにも関わらず、2008年からビデオグラムの出荷高がほぼ横ばい状態になっている点だ。CDなどが世界的にパッケージシュリンクを起こしている中、アニメは横ばい状態を保っているだけでも凄いことだ。しかし、この間に一度アニメの制作本数が減り、再び持ち直したにも関わらず売上が変わっていないというのは奇妙な現象である。もしも、アニメのソフトを買う母数が一定のまま増えていないのならば、制作本数が増えれば増えるほど共通のパイを食い争って共倒れするということになりかねない。

『サムライチャンプルー』や『GANGSTA』などで知られるアニメ制作会社マングローブが倒産したのはその先触れなのかもしれない。倒産理由も制作費が負担になり資金繰りが限界になったというものであり、何か大きな失敗があったわけでもなく不祥事が起きたわけでもないのが象徴的だ。

 このアニメ会社は11月3日に公開予定だった劇場アニメ『虐殺器官』を制作中だったが、どこかの制作会社がこの映画を引き継ぐことになるのだろうか。引き継いだ先でも虐殺の文法が発動されないと良いのだが……。

 しかし2006年よりは希望的な面もある。ひとつはCATVやネット放送などの新しいインフラができてきていることだ。海外ではオンデマンド配信が主流になっており、日本でも動画配信サービスは急速に普及してきている。深夜アニメなどはDVDを売るためのアニメ作りをしているが、動画配信サービスで売るためにアニメを作るようになれば、形式や物語もまた新鮮なものが生まれてくるのではないだろうか。

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