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“トンデモ創業者”ワタミ・渡邊美樹氏 居酒屋事業ピンチで振り返る、著名作家ドン引きの「ブラック理念」

watamiblack0719.jpgきみはなぜ働くか。―渡邉美樹が贈る88の言葉(日本経済新聞社)

 2015年3月期に128億円の最終損失を計上し、前年の49億円の赤字から損失額が拡大している、居酒屋「和民」などを展開するワタミ。数年前まで「居酒屋チェーンの象徴」として君臨した大企業が今、大きな危機にあえいでいる。

 創業者である渡邉美樹氏が一代で築いた外食チェーンであるワタミは、顧客至上主義の方針で高収益を上げ、世間から注目を浴びる。だがその一方で、社員に過酷な労働を課し、待遇も悪く、果ては過労自殺者も出るなど、同社の名前とともに叫ばれ始めた「ブラック企業」の代名詞として、多くの議論を生んだ。

 無論、価格や味、サービスなど競争の激しい飲食業界で、ワタミが後手に回ったという点が、今日の赤字を生んだ最大の要因なのは間違いない。今やもっと安く、手軽で、味もそこそこな居酒屋はたくさんあるし、お酒好きの人々にとってワタミに行くメリットがなくなったことが大きい。だが、ワタミがここまで落ちぶれてしまったのは、その“イメージ”の悪さも一つの要因である。その最たるものが、創業者で、現在は参議院議員でもある渡邉美樹氏の存在そのものではないだろうか。

「一代でワタミを大きくした渡邊氏の才覚自体は、褒め称えるべきところもあるでしょう。介護や教育など、積極的に他事業に参入する姿を参考にした経営者もいたかもしれません。ただ、全くの門外漢ながら神奈川県の教育委員会委員を務めた点には違和感がありましたし、『地球上で一番たくさんのありがとうを集めるグループになろう』という企業スローガンも、見方によってはどこかの宗教団体のよう。若者には具体性もなく『夢を持て』と連呼し、そのくせ自社社員には『365日24時間死ぬまで働け』『会議をしているとき、今すぐここから飛び降りろ!と平気でよく言う』など、夢という言葉とはかけ離れた考えを堂々と披露しました。その結果が社員の過労自殺騒動ですから、冗談にもなりません。極め付きは都知事選出馬、参院選出馬。『日本全体ブラックを企業にするつもりか』と大いに批判されました。一連の言動を経て、ワタミ系列の店舗で飲食をすること自体『シャクにさわる』と思う人は、決して少なくないでしょうね」(記者)

 渡邊氏の発言はこれだけに止まらない。2013年に放送された『カンブリア宮殿』(テレビ東京系)で、作家の村上龍氏と繰り広げた「『無理』は嘘吐き」の会話は、渡邊氏の根本的な思想を端的に示している。

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