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『おそ松さん』だけじゃない! 放送禁止・DVD化禁止…あのドラマ、アニメ、映画がタブーになった理由とは

 最後に「お上」からの圧力で「問題作品」とされてしまったケースをご紹介したい。吉野せいによる小説をドラマ化した『洟を垂らした神』(テレビ東京系)は「原発」をめぐり問題が発生。もともと、科学技術庁が「暮らしとエネルギー」キャンペーンの一環としてスポンサーとなっていたこの作品には、原作に登場しない、「長男が原子力発電所に勤務」という設定、その長男が発電所に母を案内して原発の説明をするシーンが入っていた。その内容に対し、反原発の姿勢を貫いていた吉野せいの思いを慮った遺族らが「吉野せいさんの生涯を惜しむ市民グループ」を組織。その猛反発に脚本を担当した新藤兼人は「原発」を「発電所」に変更。ただ、この変更の後に東京12チャンネルより中止の発表がなされた。その理由については新藤兼人も説明を受けていないらしいが、原発プロパガンダ作品にならないことになり、科学技術庁がスポンサーを降りたからではないかと言われている。

「原発」に起因する「問題作品」といえば、田原総一朗が書いた同名ルポルタージュをもとにした、1978年公開の映画『原子力戦争:Lost Love』も忘れてはいけない。この映画に関する情報は、沢辺有司『ワケありな映画』(彩図社)に詳しい。原発の危険性や事故隠蔽体質にスポットを当てた田原の本を黒木和雄監督がミステリー風にストーリーを再構築し映画化した本作、主演は原田芳雄が務めている。この映画の最大の特徴は、なんといっても撮影が全編いわき市小名浜のロケで行われているということである。そして、最も衝撃的なシーンは、原田芳雄が警備員の制止を振り切って原発敷地内に突入しようとするシーンだ。原発敷地内で撮影をしようと試みるも、この映画の内容を事前に知っていた原発側は当然取材を拒否。「撮影はしないでください!」とカメラに向かって叫ぶ警備員の姿がそのまま作中におさめられている。この映画は長らくソフト化を封印されていたが、2011年12月、原発問題への議論が活発になるなか、ようやくタブーを解かれDVD が発売された。

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