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『紅白』出場メンバーが地味すぎる……音楽的見地から、ももクロ“落選”を検証する

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 大みそかに放送される『第66回NHK紅白歌合戦』の出場歌手が11月26日に発表されたものの、その顔ぶれが「例年にないほど地味」と話題になっている。初出場となったのは、レベッカ、ゲスの極み乙女。、大原櫻子、BUMP OF CHICKEN、乃木坂46など計10組。一方で、SKE48、きゃりーぱみゅぱみゅ、ももいろクローバーZ(すべて3年連続出場)、水樹奈々(6年連続出場)といった、これまで連続出場していた歌手が落選している。

 特に、元気でフレッシュな印象の強い、ももクロの落選には、ファンはもちろん本人たちも落胆しているようで、メンバーの佐々木彩夏は公式ブログで「ももクロは落っこちてしまいました」と内心を吐露している。同番組のチーフプロデューサー・柴崎哲也氏によると、「今年の活躍の実績、私たちの調査による世論の支持、演出・企画に沿う出演者という、3つの要素を総合的に判断して選定しました」とのことだが、実際にももクロの人気はそれほど落ち込んでいたのだろうか? 音楽業界関係者に話を聞いた。


「ももクロは、従来のアイドルのイメージを覆すような革新的なチャレンジを次々に行い、これまでアイドルに興味がなかった層――特にロック好きの中高年をもファンに取り込み、音楽シーン全体を盛り上げつつ、その人気を拡大してきました。特に2011年に発表したシングル『労働讃歌』は、英国のロックバンド、The Go! Teamのイアン・パートンが作曲を手掛け、大槻ケンヂが作詞を担当するという斬新な座組みで、サブカル中年たちの心をわしづかみにするインパクトがあったと思います。その勢いで、彼女たちはライト層の支持も集め、14年3月には、『ももクロ春の一大事2014 国立競技場大会 ~NEVER ENDING ADVENTURE 夢の向こうへ~』を開催するなど、一時は頂点に立ったかのようにも思えました。しかし、CDの売り上げは13年11月に発売した『GOUNN』の7.7万枚以降、明らかに落ち始めていて、今年4月に発売した最新シングル『「Z」の誓い』の売り上げに至っては、映画『ドラゴンボールZ 復活の「F」』とのコラボ作品だったにもかかわらず、わずか4.8万枚にとどまっていました」

 CD売り上げが下がっていった要因について、同関係者は次のように分析している。

「以前のももクロは、前述した大槻のほか、怒髪天やいとうせいこう、鎮座DOPENESSといったサブカル受けするミュージシャンとも積極的にコラボをしていて、メジャーのど真ん中で尖った音楽をやっている、というイメージを打ち出すことに成功していました。しかし、ファン層の拡大に伴い、活動の内容もよりメジャー志向となり、15年にはKISSとコラボした『夢の浮世に咲いてみな』や、森雪之丞が作詞した『「Z」の誓い』を発表するなどしていましたが、これが従来のファンにとってはサムかったのでしょう。これまで一生懸命に彼女たちの良さを人に勧めてきたサブカル中年たちが離れ始めれば、はやっているから乗っていただけのライトなファン層もすぐに冷めてしまいます。来年2月には3rdアルバム『AMARANTHUS』と4thアルバム『白金の夜明け』を同時リリースすることが決まっている彼女たちですが、ここで人々に大きなインパクトを与えなければ、現在の下降トレンドから逃れることはできないのでは」

 音楽業界全体の不作ぶりが、出演陣の地味さに反映されたともみられている今年の紅白。ももいろクローバーZがあっと驚く新戦略で、業界全体に刺激を与えてくれることを期待したいものだ。
(文=山下祐介)

最終更新:2018/12/12 17:37
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