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年末格闘技「RIZIN」と反社会的勢力の関係は大丈夫!? フジテレビ局内からも疑問の声が……

 もっとも、大会の実行委員長である榊原信行氏は10月8日の発表会見で「みなさんから非難を受け、脇が甘かった部分も反省し、企業としての防衛力を高め、自分たちを律します」として、元警視庁刑事部理事官の菅村明仁氏や2名の弁護士、中村信雄氏と大鶴基成氏をコンプライアンス担当に迎えている。前田氏や鈴木氏の発言からうかがえる暴力団との関わりが実際にあるのかはわからない。しかし、こうした相次ぐ疑惑の材料について団体側からハッキリ潔白が示されたということはなく、グレーなまま。問題は、そんなイベントをフジテレビ、スカパー!が堂々と放送することでもある。

 フジは4年前、全国の暴力団排除条例施行を受け、加盟する日本民間放送連盟が示した指針に従い「経営トップから制作現場に至るまで一丸となり、反社会的勢力に介入の隙を与えないという態度を徹底」としていたが、一方で島田紳助が暴力団との交際を理由に芸能界引退となったときには、情報番組のキャスター小倉智昭が「トラブルを闇社会の人が解決することもある」と暴力団を容認する発言をするなど、脇の甘さもあった。その指針もよく読めば、暴力団との関わりが判明した場合に契約解除ができるという、事後対応にすぎない内容でもある。

「フジはCSの番組企画で立ち上げていた『巌流島』という格闘技イベントを、この夏、理由を示すことなく急きょ不自然な形で放送中止にしていて、これは格闘技界に関わる背後の力関係が作用したといわれています。RIZINのバックが、いかにコワモテかってこと」(同)

 スッキリしないRIZINには、さすがにフジ社内でも「疑惑があるのに放送するのはおかしいし、一歩間違えば局自体が反社会的勢力の食い物にされるかもしれない」と、放送に反対する関係者もいる。

「PRIDE時代に大きく関わったプロデューサーは、いまだ暴力団組織との直接関与が弱みになっているという話もありますから、RIZINの放送強行は何か付け込まれているんじゃないかと疑いたくもなる」(同)

 フジ広報部にこうしたRIZINの暴力団関係疑惑について聞いてみたところ、なんとその回答は「地上波で放送する予定ですが、大会の主催・運営には関わっておりません」という一文のみだった。

 あくまで放送をするだけというスタンスで、イベント自体が暴力団と関わろうとフジに責任はないというニュアンスだ。これは先の「反社会的勢力に介入の隙を与えないという態度を徹底」という指針と大きくかけ離れた印象があるのだが、これもバラエティ、ドラマなど軒並み苦戦するフジ凋落の象徴だろうか? 年の瀬に行われる熱戦をめぐり、リング上の汗のみならず、フジ関係者の冷や汗が落ちなければよいのだが。
(文=ハイセーヤスダ)

最終更新:2015/12/20 11:00
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