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ITライター柳谷智宣の「賢いネットの歩き方」第92回

被害総額176億円! 年々増加する「架空請求」その最新手口とは

 詐欺師は、とにかく相手をビビらせることに長けている。定番は、「アダルトサイトや出会い系サイトを使っていることが、周囲にバレるよ」という脅し。最近は、怪しげなウェブサイトを表示した時にシャッター音を鳴らして、ユーザーの顔を撮影したかのように脅すケースもある(参照記事2)。訴訟を起こすというのも本気にしてしまうと、ストレスになるだろう。被害に遭った人の平均支払金額も増加傾向にあり、14年度のデータでは約28万円。若いユーザーだと、ビビってしまってもそもそも支払えないので、様子見していたところ何も起きないので助かった、となる。しかし、ある程度の年齢で、体面を気にする立場だと、引っかかってしまう可能性が高くなるのだ。

 くれぐれも、架空請求のメールには反応しないことを肝に銘じてほしい。ただし、メールや電話で住所などの個人情報を漏らしてしまった場合は注意が必要。その後、知人からのアドバイスなどで無視に転じても、収束しない可能性があるのだ。実際は詐欺であるのに、相手が少額訴訟を起こすケースがある。すると、裁判所から書類が届くのだが、一切を無視するというスタンスでこれも無視すると、裁判で負けることになり、なんと支払い義務が法的に発生してしまうのだ。「無視する」という対策を逆手に取った手法といえる。

 疑心暗鬼になっている被害者は、裁判所に問い合わせするかもしれない。そのようなアドバイスも、ネットに出ているからだ。しかし、そのさらに裏をかくケースも起きている。裁判所からの書類を偽装して、問い合わせ先として自分たちの電話番号を記載しているのだ。電話が来れば、裁判所をかたって「支払ったほうがいいですね」と誘導するのも簡単だ。そうすれば、実際に訴訟を起こす手間も省ける。この場合は、書類の電話番号は無視して、裁判所の番号をネットで調べてかけること。本当に訴訟を起こされているなら異議を申し立て、そうでないなら無視すればいい。

 年間176億円も儲けられるのだから、これからも架空請求を手掛ける詐欺師は増えていくだろう。くれぐれも、引っかからないように、また被害者を増やさないように、知人にもアドバイスしていただきたい。
(文=柳谷智宣)

参考URL
<https://www.npa.go.jp/cyber/warning/chuikanki/kakuu.htm>
<http://www.moj.go.jp/MINJI/minji68.html>

最終更新:2016/01/09 14:36
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