5歳少女も「イスラム国」の残虐セックス奴隷に…! 恐怖の「レイプ地下塹壕」と、ヤジディ族の実態とは?
■次々と殺された女性たち
クルド人の部隊が攻めた後、その周辺の穴の中に、妊娠した女性の遺体が複数見つかっています。また、40代くらいの女性の遺体と思われるものもありました。妊娠してしまったり、移動の足手纏いとなる年齢になっていたりすれば、容赦なく殺して穴に捨ててしまうのです。
ISISの戦闘員に関する記事によると、ヤジディ教の女性たちへの非道な取り扱いは、「奴隷なんだから当たり前」というような感覚なのだそうです。また、「男性たちに受け入れられない女性は、容赦なく殺す。邪魔だから。もともと悪魔を崇拝しているので、利用できないならば殺さなければならない」とも言っていたそうです。そのうえ「われわれが犯すことによって、体内の悪魔を追い出しているのだから彼女たちは感謝しているはずだ」と話します。そんなはずはないと思うのですが。
■なぜヤジディ教が迫害されるのか
そもそもヤジディ教(ヤズィーディーYazidi)は、現在クルド人の一部が信仰している宗教です。古代ペルシャから続く宗教でイラン神話に出てくるミスラ信仰やイスラム教の太陽神信仰などが混ざり合った宗教です。
さまざまな戒律があり、信者への改宗を禁じるのと同時に、ヤジディ教徒から生まれた者しかヤジディ教徒になれないという考えがあるため、他宗教の信者がヤジディ教徒に入信することも拒むといわれています。周辺のイスラム教徒やキリスト教徒と結婚することも禁じられているそうです。
そのため、ヤジディ教の街はヤジディ教だけで集団を作ります。ヤジディ教の人がホテルに来るとそのホテルは大変です。情報の少ない宗教のうえ、戒律や儀式が独特なため、客の要望を聞くことが非常に難しいといわれています。また、ほかの宗教、特にイスラム教徒と争いを起こすので、注意しなければならないのです。
ヤジディ教がイスラムから嫌われるのは、結婚を禁じるからだけではありません。彼らが崇拝する天使「マラク・ターウース」の伝承は、ムスリムからすると悪魔「シャイターン」にと似ている部分も多いので、イスラム教からは邪教扱いや悪魔信仰として忌み嫌われます。
特にイスラム原理主義の人々は、自分たちがうまく神から恩恵を受けないのは、ヤジディ教徒が悪魔を崇拝しているからであると憎悪の感情を持って見ています。
ISISの近年のヤジディ教徒に対する迫害や弾圧も、すべて、この宗教的な感覚からきているものなのです。実際にヤジディ教に何らかの思いがあるわけではありませんが、この宗教はISISによって絶滅の危機に瀕しているといえるでしょう。
(文=ルドルフ・グライナー)
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