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「誰が出ているか」から「誰がつくっているか」で見る時代に――テレビを面白くする“規格外”局員たち

 だが、彼らはかなり特異な例。同時期に大勢のテレビ局員が話題に上ることは少なく、また、そのほとんどがフジテレビ発、という一極(局)集中型だった。

 それが一転、各局で同時多発的に、テレビ局員の名前で番組が注目されるようになってきたのが、ここ最近の傾向だ。テレビ局の危機、が叫ばれる今だからこそ、その身内から既存の番組をぶち壊して新しい価値を生み出す担い手が出てきている、と見なすこともできるだろう。

 この流れを的確に捉えているのが、千原ジュニアだ。ジュニアは3月、舞台『6人のテレビ局員と1人の千原ジュニア』を開催する。

「6人のテレビ局員」とは、末弘奉央(NHK『超絶 凄ワザ!』)、内田秀実(日本テレビ『ヒルナンデス!』)、そして前述した加地倫三(テレビ朝日)、藤井健太郎(TBS)、佐久間宣行(テレビ東京)、竹内誠(フジテレビ)という面々だ。

 この企画は、2006年2月に開催した放送作家たちにすべて委ねる舞台『6人の放送作家と1人の千原ジュニア』の第2弾となる。放送作家の面白さを打ち出そうとした前回を経て、今回は「テレビ局員」こそが時代の先端である、というジュニアの嗅覚は見事だ。

 彼らを先頭に、事務所でもタレントパワーでもなく、テレビを面白くするのは制作スタッフなのだ、という気概を取り戻してほしい。

 SMAP騒動の折、ネット上では「花屋の店先に並んだ花はどれもみんな世界にひとつだけの花だけど、一番偉いのは『花屋』なんだよ」というツイートが大いに拡散された。言い得て妙なたとえではあるが、同時にこうも言える。「そもそも、花屋があるビルがみすぼらしければ人は寄ってこない」。

 規格外のテレビ局員を改革の旗頭として、つい立ち寄りたくなるテナントビルを築き上げてもらいたい。
(文=オグマナオト)

最終更新:2016/04/01 12:08
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