『耳の穴』ウエラン・井口浩之の「コント師イジリ」と、かつてバナナマン・設楽が語った「売れ方」の話
【実録】22時間で110人からレイプされた14歳少女 ― ギリシャ性奴隷・人身売買の実態
2016/01/31 09:15
■自殺という決断で、生を得る
その後、クリストフという別のぽん引きに売られていったミーガンさんは、出張売春と置屋での売春を強制され続けていた。母親には笑顔の写真を送り、カフェで働いているとウソの手紙を書かされ、母親が彼女を探さないように仕向けられていた。
しかし20歳のとき、とうとう彼女は自殺を試みてしまう。その治療のために約3カ月間入院することになるが、この入院がクリストフやほかの仲間たちから切り離された生活をミーガンさんに与え、これが売春生活から離脱するきっかけとなった。自殺を決意したことが、逆に生きるための光を与えたということである。
今、彼女は26歳となり、パートナーの子どもを授かり出産を間近に控えている。普通の女性としての幸せをつかもうと努力をしているが、彼女に植えつけられた恐怖と混乱の記憶を取り除くことは簡単ではない。ネット上のSNSでは、いまだにジャックが彼女を探し続けて、引きもどそうとしている兆候を見つけることができるという。それでも、離脱できたミーガンさんは、数少ない幸運の持ち主だとも言えるのかもしれない。人身売買の闇は、それほど暗く深いものなのだ。
(文=高夏五道)
参考:「Daily Mail」、ほか
最終更新:2016/01/31 09:15