日刊サイゾー トップ > 海外  > 中国のトイレ清掃員は住み込み!?

自分の部屋と家電付き!? 中国でひそかな人気職業「公衆トイレ住み込み清掃員」とは

tolet003トイレの横の部屋で自炊して食事する。日本では考えられないが……

 なお、公衆トイレの清掃員はどういう人なのかというと、もともと国営企業に勤務していた人が公衆トイレの清掃管理を委託されるケースが多いようだ。つまり公務員だ。地域差はあるが、月収はおおむね2,000~3,000元程度(約4~6万円)。上海でも深夜の工場勤務で4,000元(約8万円)程度の求人も多い中、重労働でもなくマイペースに仕事ができ、自分の部屋と家電がある清掃員の仕事は、一部の人にとっては悪くない身分といえるだろう。ただし悪臭を我慢できれば、という条件付きではあるが……。

「トイレの住み込み清掃員は、五輪開催を控えた北京市などで05年頃から増え始めました。中国では長らく『ニーハオトイレ』という、仕切りのない、衛生環境が劣悪で汚れ放題の公衆トイレが一般的だった。こうした状況を改善しようと、トイレに清掃員を常駐させて清潔にしようとしたのです。当初は、失業した出稼ぎ農民工を雇用して清掃員に充てていたようですが、最近では景気低迷で“人気職種”になりつつある。中には、幼い子どもを持つ夫婦が住み込んでいる場合もあり、子どもは学校でいじめられないのかと、他人事ながら心配してしまいます」(北京市在住の日本人大学講師)

 超近代的な公衆トイレを作るのもいいが、まず住み込み清掃員がいなくてもトイレを清潔に保てるような仕組みが大切ではないか。
(文=ルーシー市野)

最終更新:2016/02/03 21:00
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