【閲覧注意】これは介護か虐待か? 47年間ロープに吊るされている男
■“クモの巣”に絡まっている本当の理由
両親の願いも虚しく、その後もカオ・バ・クアットさんの全身の筋肉は、歳を重ねるごとに衰え、四肢は次第に壊死していった。しかも無理に動かそうとすると、思わず叫び声を上げるほどの激痛が走る。そのため、当初はベッドに寝かせて介護を始めたようだが、母親のアイデアによってカオ・バ・クアットさんは“吊るされる”ことに。手足を空気が入った袋で包み、その袋をロープに括りつける――。このようにして、一見するとクモの巣に絡まっているような、カオ・バ・クアットさんにとって最適な姿勢を保つことができる環境が整ったのだ。
しかも、このように吊るすことは、介護する側の家族にとってもメリットが大きかった。食事の世話や便の処理、さらに姿勢を変える時にも何かと勝手が良いのだという。これでカオ・バ・クアットさんの苦痛が完全に取り除かれ、症状の進行が止まるわけではないが、本人と家族にとっては最善の策だったというわけだ。
■苦しい介護の果てに…… 母親の決断
さて、現在86歳になる高齢の母親は、これまでカオ・バ・クアットさんを表に出さず、47年にわたり隠すようにして介護を続けてきた。人々に恐怖を抱かせることを恐れたためだという。しかし、自らがこの世を去った後に、果たして誰が息子の面倒を見てくれるのか不安になり、このたびメディアで現状を訴えることにした。
「息子と一緒に死にたいと思ったことは何度もあります」(母親)
母親の必死の思いが新聞などで報じられると、即座に反応したのはベトナムのネットユーザーたちだった。なかには虐待を疑ったり、「クモの巣男」などと揶揄する反応も見受けられるが、多くの人は高齢の母親と障がいを抱えた中年の息子の苦難に心を打たれ、募金活動まで開始される運びとなったという。
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