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『ハウス・オブ・カード』全シーズン、遂に解禁! Netflixが示したコンテンツホルダーのあるべき姿

【リアルサウンドより】

 昨年9月に日本でサービスをスタートさせたNetflix。数々のオリジナル作品をはじめとする充実したラインナップ、快適なインターフェイス、視聴者に最適な作品をリコメンドする優れたアルゴリズムなどなど、その圧倒的実力は確実に日本のユーザーに浸透してきているが、一つだけ大きな問題を抱えていた。2013年に本国で配信が開始されて以来、エミー賞、ゴールデングローブ賞など数々の賞に輝き、「ブレイキング・バッド」(AMC製作。現在Netflixでも全シーズン配信中)とともに2010年代の新たな世界的ドラマブームを牽引してきた、Netflixオリジナル作品の中でも最大の目玉であったはずの『ハウス・オブ・カード』がそのラインナップに入っていなかったのだ。

 そもそも、日本の外国映画/海外ドラマ・ファンの多くがNetflixという会社の名前を初めて意識するようになったのは、『ハウス・オブ・カード』がきっかけだった。今から5年前の2011年、デヴィッド・フィンチャー監督が『セブン』以来の盟友ケヴィン・スペイシーを起用した新作でテレビドラマ界に参入を発表。今でこそハリウッドのトップ・ディレクターやトップ・アクターを起用したテレビドラマは珍しいことではなくなったが、その決定的な流れを作ったのが、映像界にたくさんの信奉者がいるこのフィンチャーの決断だった。そしてもう一つ。そこでフィンチャーが選んだのが既存のネットワーク局やケーブル局ではなく、新興の映像配信サービスであるNetflixであったことは、本格的にテレビがネット配信の時代に入った歴史的転換点として世界的に大きなニュースとなった。

 2013年2月にシーズン1(エピソード1と2はフィンチャー自らが監督。その後は現在までエグゼクティブ・プロデューサーを務めている)が配信されると、その圧倒的なおもしろさとフィンチャー基準の超絶映像クオリティはもとより、配信開始日に最終話まですべてのエピソードが配信されたことによって、部屋にずっと引きこもって最後まで見る人が続出したことも話題となった。これも、Netflixでは今やお馴染みのやり方だが、当時は人々の視聴スタイルに革命をもたらした大事件だったのだ。

 ところで、当時まだNetflixが参入してなかった日本で、我々(というか自分)はどのように『ハウス・オブ・カード』と接してきたのか? 今振り返ると涙ぐましい話だが、本国での配信開始から半年以上遅れてBSの有料映画専門局でシーズン1の放送が決定して、毎週新しいエピソードの放送を首を長くして待つというオールドスクールな視聴スタイルを強いられた時は、それでも狂喜乱舞したものだった。翌年ソフトで発売された時も「デヴィッド・フィンチャー完全監修パッケージ仕様」という言葉に踊らされて即座に入手した。同じパターンで、シーズン2も約半年遅れの放送、その後ソフトでもリリースされた。それが2014年秋のこと。しかし、そこから約1年半、シーズン1と2の再放送や他のサービス会社での配信などはあったものの、新しい動きはピタリと止まってしまった。2015年2月には、世界中でシーズン3が配信されていたにもかかわらずだ。

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