【閲覧注意】生きたミイラ、ジョナサン・バス ― 全身骨化し、死ぬまで動けなかった男
■ショーで人気となり晩年を飾る
すでに全身が骨化していた彼は、ベッドに横たわりながら全国ツアーをすることになった。当時、彼の姿を見た新聞社は、「(逆さまになった)彼の頭を片手で支えれば、つま先まで一本の棒のように持ち上げることができます」とその奇妙な状態を報じている。
ナイアガラの滝から始まったツアーで全国を回った彼は大人気となり、その道中たくさんの友達や仕事仲間もできたという。
ある時、取材を受けたジョナサンはクリーブランドの市長についてどう思うか尋ねられたことがあった。それに対してジョナサンは「彼は私と同じくらい硬いバックボーンを持っているよ」と機知に富んだ答えをし、体が動かなくてもその才知は衰えていないことを示している。
大人気となった彼は1890年にストライキも起こしている。その頃は週25~250ドルという賃金を得ていたようだが、担当のマネージャーを変え、2番目の弟に任せることにした。
そして5年に渡るショー活動の後ジョナサンは体調を崩し、1892年息を引き取った。風邪をこじらせた末の肺炎だった。死期を悟ったジョナサンは兄弟に頼んで家に帰らせてもらい、その2日後に亡くなったという。
彼の死をニュースで知った医師たちは検死を申し出たが、家族によって拒否された。それは彼の体が盗まれるのを避けるためであったと考えられている。その後、遺体は盗難対策がなされた墓地に埋葬された。彼が遺した財産は彼の甥や姪へと送られている。
健康だった頃は家族を養い、病気を患ってからは家族に世話をしてもらい、家族がいなくなったらその子どもたちへ遺産を贈る。奇病を患った彼は、幸せな人生を送ったとはいえないかもしれないが、助けあって暮らした家族を誇らしく思っていることは間違いない。
参考リンク:「sideshowworld.com」、ほか
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