日刊サイゾー トップ > 連載・コラム  > 売春専門「カストリ出版」って?
それゆけ!勝手にしらべ隊

遊廓や売春関連の書籍ばっかり復刊する「カストリ出版」ってなんだ?

――カストリ出版は、何人ぐらいでやられているのでしょうか?

「基本的には私ひとりです。一部外注でお手伝いしてもらっていますが、ほぼひとりでやっています」

――そうなんですか! 個人出版社ということなんですね。

「カストリ出版は、2014年末からスタートして、現在までに10タイトルほどをリリースしています。私自身、遊廓や赤線(1946~58年の間に、半公認で売春が行われていた地域。警察が地図上の該当エリアを赤い線で囲ったことに由来)というテーマが大好きで、遊廓跡を調査してブログを書いていたので『好きなことを仕事にした』と言ってしまえば身もフタもないのですが、多少なりとも考えたところがあるとすれば、『遊廓の情報を残したい』というのが復刻しようと思った理由ですね」

――具体的には、どのような本を復刻されているのでしょうか?

「私が最初に復刻した『全国女性街ガイド』という本は、古書マニアの中では3~5万円前後の値段で取引されている稀少本です。しかも、5万円出せばいつでも買えるというものではなく、まれに市場に出て、やっとその価格で買えるというものです。中身は売春防止法直前に全国の売春街350カ所あまりを取材して書かれたという、とんでもない本です。また、終戦直後に大変な勢いで生まれた『カストリ雑誌』の中から、売春街に関する記事を選り抜きした本なども出版しています」

kasutor02戦後の一時期には、約1,000種類も存在したというカストリ雑誌

――復刻にあたっての作業というのは、どのように行っているのでしょうか?

「文章はすべて手で打ち直して、テキストデータにしています。当時の書籍は活字が物理的に欠けていたり、印刷から半世紀、ヘタしたら1世紀近くたっていて不鮮明なので、一度データ化して、イチから作り直しています。写真・図版は1点ずつスキャンしています。テキストのデータ化は、かなりキツイです(笑)。写経のような感覚ですかね。先頃出した『全国花街めぐり』は800ページ以上ある大作なので、半年ほどかかってしまいました」

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