『耳の穴』ウエラン・井口浩之の「コント師イジリ」と、かつてバナナマン・設楽が語った「売れ方」の話
奇習! 少女の性器を縛り、貞操を守る人々 ― ある集落における監禁虐待の実態=瀬戸内地方
2016/05/05 09:15
※イメージ画像:『奇子【Kindle版】』
「その小屋にはね、もともと産婆をやっていたっていう婆さんと、坊さんがひとりいてさ。その婆さんと坊主がね、女の子たちの縄を締めなおしたり、股を洗ったりしてたっていう話なんだよな。一日三回も。なんだか変な習慣だよな。まあ、婆さんは女だからまだしも、坊さんは男なわけだから、そういうことをされるっていうのは、年頃の子にとっちゃ恥ずかしいことだったろうね」
まともに日を浴びることもなく、薄暗い小屋のような場所で暮らし、僧侶や老婆によって陰部の手入れだけを入念にされていたという彼女たち。そんな彼女たちはその後、どのような末路を辿ったのだろうか。
「みんな、よそに嫁に行ったのだとばかり思っていたけども……たしかに、気づいたらみんないなくなっていたし、その後に里帰りしたっていう話も聞かないよな。うちは女がいなくてみんな男だったからわからないけども、あの後、あの子らはどうなったんだろうねえ……」
金木さんが二十歳を迎える頃には、いつの間にか少女たちの気配もなくなり、また、村外れにあった小屋のような監禁場所も、ひっそりと取り壊されてしまったという。彼女たちがその後、どのような末路を辿ったのかは定かではないが、いずれにしかり、その胸中を思うと、なんともやりきれないものがある。
(取材・文=戸叶和男)
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最終更新:2016/05/05 09:15