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「もう、お前死ね……」貧困が招く悲しき老後生活『万引き老人』

 2年後のある日、伊東はこの女性と再会。顔色は明るくなり、伊東をみかけるや「あなたに捕まえてもらって、本当によかった」と手を強く握った。保安員をしていて心が晴れた経験だったという。

 年々、万引き認知数は減少傾向にある。しかし、実際は所轄の警察が被害届を出されることを拒否したり、万引き犯の身寄りがないなどの理由から厳重注意で終わってしまうことがほとんどだ。「謝れば許される」「買い取れば許される」という認識から万引きが繰り返され、手口の悪質化が進んでいる。

 一方で、保安員は命懸けだ。万引き犯に声をかけたところ刺殺されてしまったり、逃げ出す車にはねられて死亡した保安員もいる。また、業務をこなすなかで、精神を病んでしまい自殺する者が後を絶たない。

 ほか、増加する外国人による万引きグループや、近年導入されつつある顔認証型防犯システムの問題点など、普段知ることのない保安員と窃盗犯の戦いを7章にわたって収録。

 伊東は、保安員の経験から「店内声かけ」を呼びかけている。ちょっと前の商店街などでみられたものだ。声をかけられることで、店員がこちらをみていると思わせて、万引きを未然に防ごうというものだ。しかし、現場には、一筋縄ではいかない問題が横たわっている。

最終更新:2016/07/16 18:00
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