『ファインディング・ドリー』併映短編『ひな鳥の冒険』も抜かりなし! 「450枚から700枚の羽を描いた」「水だけで約10億円かかった」
質疑応答ではプロデューサーのマーク・ソンドハイマーが応じる場面が多かった。「制作期間はツールのテストも含めて2年くらい」とマーク。「アニメーションは一定ではなく、常に変化し続けていくものだと思っている。正直言って、何で上層部の人たちが関心を持ってくれて、短編にすべきだと言ってくれたのか分からない」と感謝の念を述べた。
制作予算について問われた際には、マークは「水を作るだけでもおよそ1千万ドル(約10億円)かかった。詳しくは話せないが、これまでの短編と比較しても同じくらい」と明かした。短編には長編を制作するための技術開発や試作といった側面もあるにしろ、ここまでの膨大な予算を費やせるのもピクサーならではだろう。
マークはさらに「水のほかにも砂や羽については大変お金のかかるところで、短編を作ると決めてくれたのが良いことだった」と続けた。また、その後の質問を受けて「CGとか実写とか関係なくストーリーが大事になってきていて、アニメーターがどういうことを伝えていきたいかを考えていける時代になったと思っている」と展望した。
「監督たちにとっても、自分たちが表現したいと思うことを表現しやすくなった。技術が発展してきているので、同じものであってもピクサーであれば違ったストーリーを作っていくことができる。話の中で個性を出せたり、CGでやっていけたりするのは興味深い」(マーク)
ここまでの話を聞いて改めて『ひな鳥の冒険』を見てみると、ますますその凄みが伝わってくるのではないだろうか。
(取材・文/真狩祐志)
■広島国際アニメーションフェスティバル
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