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どのように日本のポップカルチャーは中国に影響を与えたのか? 『ギャグマンガ日和』の「給力」が記憶に新しい「動漫」文化の変遷

hiro16china3.jpg写真:連環画

 古くは宋の時代からあったという「連環画」。「もともとは歴史的な物語や故事や教育的な内容を、1枚の絵の下に説明文をつけるというやり方で子供に読ませる媒体でした。80年代に全盛期を迎えるんですが、この『連環画』に日本のアニメが出てくるんですね。子供たちはこういうものを通して、日本のアニメに接していったのです」と古市。

「(体裁としては)なかにはテレビ画面をそのまま撮って説明をつけるものとか、『鉄腕アトム』のマンガを適当に切り取って、縦長のものを横長の小さな紙に切り取っていき、雑につなげているので話がつながらないところは、誰かが勝手に適当に描くという状況で作られていました」といった有様だったそうだが、「さらに手塚治虫本人がそれを見て『こんなんじゃ読者に申し訳ない』と、無償で自分が直した原稿を届けたというエピソードもありますが、本当かどうかは怪しい感じですね」(古市)

「そういう感じなので、表紙も誰が描いたか分からないし、題名を見てかろうじて何とか分かる感じです。こういう風に『連環画』を通して日本のアニメを見て、日本のアニメを自分たちの物語に取り込むようになっていきます。そして出てきたのがアニメを題材とした“創作連環画”とも呼べるもので、中国の作家さんたちが自由に日本のキャラクターを取り入れて、孫悟空と戦ってるものが一番多いんですけども、そういった物語が量産されます」(古市)

 話題は徐々に80年代から90年代に移行。「TVシリーズ黄金期と言える時代がやってきます。現在CCTVは日本に限らず、外国製のアニメーションの放送時間を厳しく制限していますので、簡単に観られないんですが、90年代はまだキチンと輸入されて放送されていた時代でした」。その当時の若者は正規で『ドラゴンボール』『セーラームーン』『聖闘士星矢』などを見ていて、有名作はみんな知っている、という世代になるそうだ。

hiro16china4.jpg写真:『トランスフォーマー』論争

 なかでも社会現象となったのは『トランスフォーマー』。「中国には日本版とアメリカ版が輸入されているんですが、一大ブームを巻き起こしました。色んなロボットのおもちゃが『トランスフォーマー』という名前で入ってくるので、2000年以降に情報が入ってくるようになると、『あれは“ガンダム”だったのか!』とか再認識をする事態になるくらい大流行したんですね」。2000年以降となると、もちろんネットの普及による影響も含まれる。

「1989年に『人民日報』で取り沙汰されるくらいになった時には、20名の全人代(全国人民代表大会)の常務委員が放送を中止すべきと申し入れていました。表向きにはどの記事も『思想的には荒唐無稽で、好戦的な内容である。若い世代の教育に宜しくない』と書かれているんですが、後半は『あまりに子供が高価なおもちゃを欲しがるもんだから親が大変な目に遭っている。中国のおもちゃ屋さんに全くお金が入ってこない。無料で外国のおもちゃの宣伝をするとは何事か。だから放送すべきでない』という論調になっていたので、資本主義のアニメが入ってきてどうこうというよりも、中国のおもちゃ産業が危ないんじゃないかと思わせるくらいの流行だったと思われます」(古市)

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