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『悪意とこだわりの演出術』発売記念インタビュー

TBSバラエティ好調の立役者・藤井健太郎に訊く「サンプリング世代のテレビの作り方」

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藤井 広告代理店系のダサイ感じってあるじゃないですか。チャラいノリの“ヨイショ~”みたいな。そういう部分とクリエイティビティって、本当は離れているはずのものなのに、テレビ局って意外と近かったりする。そういうノリの人が、作り手に混ざり込んでいる。特に昔は、そちら側の人のほうが多かった気がするんですよ。あとは……見た目とかも。テレビって、途端に洒落てないですよね。ほかのいろいろなカルチャーと比べて。そう思わないですか?

――ちょっと、マッチョな感じのイメージはあります。

藤井 そうですね。わかりやすさ、とっつきやすさに特化したメディアなので、そっちに特化していった過程で忘れられていったものはあると思います。

――繊細さ、とか。

藤井 ビジュアル面のセンスとか、ビジュアルだけじゃなく、表現そのものがダサかったり。

――たとえば、ネットなどでひとしきりはやったものが、少し遅れてテレビで取り上げられたりしますよね。そういう「時差」は、少しダサいような気がします。

藤井 昔はまだ人々が情報にたどり着く手段が少なかったからよかったかもしれないけど、なんでも入ってくる時代に、後追いでやるのは、なかなか厳しいところがある。速さの競争には勝てないけど、テレビには拡散力をはじめ、優位なところもあるんだから、もっと堂々と言っちゃえばいいと思うんですよ。「これTwitterではやったやつです」って。自分の手柄みたいに言うから、かっこ悪い。

――藤井さんの番組は、そのあたりがすごく正直だなぁと思います。

藤井 なんていうか、そういうことに関する世間とテレビの温度感が開いてしまっているところはあると思います。別にウソついちゃいけないとは思わないですけど、その温度感の読み違えがあると、よくないんだろうなと。だって、正直に言ってくれたほうが、見ているほうは気持ちいいじゃないですか。

――スカッとします。

藤井 テレビが上から言ってる感じがね。腹の中見せない、偉そうな感じにつながる部分なんじゃないですかね。

――一方で、視聴者のほうもあら探しというか、素直に楽しんでいないような。藤井さんは「視聴者のレベルを下げないようにするのも役目のひとつなのかな……」と書かれていましたが。

藤井 視聴者に、合わせすぎないことでしょうか。常に「こんなものもあるよ」と提示していく、みんながまだ見たことないものを見せるほうが大事じゃないかと思います。

――普段は、どうやって企画を考えているんですか?

藤井 僕の場合、ほとんど今まであったものの組み合わせです。ゼロからひらめく、発明みたいなものはほとんどない。この要素とこの要素をくっつけたら……って。テレビを中心に、テレビ以外の分野からも引っ張ってきて。その組み合わせ方によって、新しいもののように見せているだけだと思います。

――もともと、バラエティ番組は好きだったんですか?

藤井 そうですね、小さい頃からよく見てました。

――どういう見方を?

藤井 普通ですよ(笑)。そりゃそうでしょ。

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