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視聴率2ケタ回復の『はじめまして、愛しています。』が完全にカルトで超怖い!

 2人は抱き合って、お互いに「愛しています」と真剣に伝え合います。すごくいいシーンです。「どんなに辛いことがあっても、幸せのために一緒に頑張っていこうよ」と誓い合うのです。

 信ちゃんと美奈ちゃんは、もともととても仲がよくて、幸せな夫婦でした。しかし、信ちゃんは母親に、美奈ちゃんは父親に、それぞれわだかまりを残したまま大人になってしまっていました。

 もしあの日、ハジメという、あの男の子が現れなかったら──2人は死ぬまで親の愛を感じることができなかったかもしれない。胸にシクシクと残る痛みを抱えたまま、ただ慰め合うように暮らしていたのかもしれない。

 しかし、ハジメが来て、人の親になろうとすることで、自らの親ともしっかりと向かい合うことができました。そして、自分たちの親が、本当に自分たちを愛していたことも実感できました。それは、ハジメが2人にもたらしてくれた福音でした。

 ありがとう、ハジメ。もう二度と会えないけれど、ずっと忘れないよ。俺たちは幸せになる、だからハジメも、長野の地で幸せになっておくれ……という話なら、とっても美しいんですけど。

 信ちゃんは、抱き合ったまま美奈ちゃんに言います。

「俺たちが愛してるもう1人の名前を、思いっきり叫びたい」

 え?

「あたしも」

 まさか……。

「ハジメー!」
「ハジメー!」
「ハジメー!」
「ハジメー!」
「ハジメー!」
「ハジメー!」
「ハジメー!」

 いやいやいやいや。怖いよ。カルトかよ。

 というか、今回、必要以上に梅田夫婦を“被害者”として描いていたように思うんですね。愛していれば法律も制度も関係ない、何をしてもいいという夫婦の態度を、あえて肯定的な語り口でミスリードしていたように見えたんです。

 ここまで、このドラマの脚本はハジメことヒカリの実母である泉(志田未来)に対して、まったく手を差し伸べようとせず、ただただ断罪してきました。

「虐待は悪」
「虐待した泉は悪人」
「悪人から子どもを守るべき」

 若くして子を産み、虐待し、精神を病んだ泉の母性と、美奈ちゃんの付け焼刃だけど深刻な母性を対比させて、そう繰り返し主張してきたんです。

 だけど泉にだって、虐待にいたった事情があるはずだし、当然、再び幸せを求めて歩き出す権利だってあるはず。そういう本来論みたいなところを最後の最後に持ってきて、なんかドカン! とやりそうな感じです。いよいよ次回は最終回。ここまですごく楽しんで見てきたし、ラストもホントに楽しみです。
(文=どらまっ子AKIちゃん)

最終更新:2017/04/19 15:01
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