日刊サイゾー トップ > その他  > 『貞子VS伽椰子』白石晃士監督インタビュー

『貞子VS伽椰子』BD&DVD発売! 夢の競演&対決を描き切った鬼才・白石晃士監督を新人ホラー小説家が直撃!!

――変なものって何ですか?

白石 すみません、ここではちょっと言えないんですけど(笑)。インディーズ的に出された、販売してはいけないVHSのソフトですね。衝撃の映像でしたよ。「こういうものがあるんだな」って思いました。

──購入されたんですね(笑)。その後、貞子の呪いがネットを介して全世界に拡散されることが仄めかされています。あれも確固たる意志というか、現代ならやるべきだという信念を感じたのですが。

白石 ええ、現代でネットから逃げるわけにはいかないので。ネットに拡散すれば世界には広がるよなと。描いてはいませんけれど、おそらく世界は滅亡しています。
 ただあんまりネットの描写をやるのは映画では面白くないと思ってるんですよね。だからちょっとだけに留めているんですが。

――面白くない、というと?

白石 ネットを映画で表現するってなると、モニター、画面を見せるってことになっちゃうんです。映像表現として面白くない。現実世界を見せた方が絵ヅラとしての要素はいっぱいあるじゃないですか。ネットに限定してネットと人間とのやり取りになってくると、絵ヅラは面白くないし、人間のナマの動きも少なくなっちゃうので、映画的にはすごくしょぼくなってしまうんですよね(笑) 

1609_sadakana07.jpg白石監督が買い求めたVHSとは一体……?

■「怖い」って思いながらも「やっと来た!」というバランス

――伽椰子の登場シーンはグッと来ました。ですが、じわじわと盛り上げてドーンと来る演出は、いわゆるJホラーっぽくはないですよね。

白石 伽椰子の下りは「ワクワク感」ですよね。皆さんがイメージしているJホラーって、「ワクワクしないホラー映画」なんですよ。『リング』はワクワクしない。確かにゾッとします、ドキドキハラハラもします。でも「この先何があるんだろう、ワクワク、ドキドキ」とは違うんですよ。お祭りの高揚感はない。でも私はそういうワクワク感はどの作品にも込めたいと思ってて。特に貞子VS伽椰子って企画はそういう要素がないといけない。

 だから伽椰子がなかなか出てこなくて、待ち侘びて、やっと出てきた時に「うわっ、ついに来た!」みたいにテンションが上がる感じにしたかったんです。もちろんシンプルに「怖い!」って思う方もいらっしゃると思うんですけど、その両方――「怖い」って思いながらも「やっと来た!」って思うみたいな、そういうバランスで行けたら一番いいなと思って作りましたね。

――試写で観た時なんですけど、伽椰子登場のくだりで、隣で観ていた青年があまりの恐怖と興奮のせいで呼吸困難になってて(笑)。完全に監督の演出にハマッていましたね。

白石 あははははは! それはうれしいです。

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