暁美ほむらの銃は“ヒトラーの電ノコ”!? 『劇場版 魔法少女まどか☆マギカ [新編]叛逆の物語』
ほむらは、「H&K P7M13」と「ベレッタPx4」の2丁拳銃を駆使した後、「H&K MP7A1」を取り出します。これは、先述の分類に当てはまらないジャンルなんですよ。一見サブマシンガンなんですが、実はPDWってジャンルなんです。
このPDW(パーソナルディフェンスウェポン)とは、1990年代に出た新しい概念なのです。これは話すと長くなります。PDWだけで、1,000字は必要ですが、このMP7に限って言えば拳銃とサブマシンガンの中間的なやつです。
そんなPDWのMP7を簡単に捨てて、「DSA SA58 タクティカルピストル」で片手撃ちします。これはさっきまで片手撃ちしてたハンドガンやサブマシンガンとは違いますよ。アサルトライフル「SA58」を極限まで短くして、肩に当てるストックを取り外して、無理やりサブマシンガンサイズにしたやつです。
2人の戦闘で、建物が崩壊します。これは、過剰演出だと思います。対物系の武器は出てきてないし、爆発物も出て来てない。単純に実在する銃とマミの「魔法のマスケット銃」の撃ち合いですから。逆に言えば、架空の武器である魔法のマスケット銃の威力が高すぎる、とも考えられます。
銃を向け合って対峙する2人、ほむらが持っているのは「ワルサーP5」です。グロックは!? P7は!? Px4は!? どこ行っちゃったの? ハンドガンだけでいくつ持ってるんでしょうか?
ワルサーって有名なのは、ルパン三世の「ワルサーP38」とヒトラーの「ワルサーPPK」ですよね。
そして、それを捨てます。ほむらが自分の頭を撃ち抜くために新たに取り出した銃、それがまた、ワルサーP5なんです! しかも、さっき投げ捨てた、P5との差別化をはかるため色を変えてます。投げ捨てたのはブラックで、頭撃ち抜いたのはシルバーでした。
頭を撃ち抜いてもほむらは動きます、貫通してましたけどね。そして、時間止める魔法を使って、マミの足を撃ち抜きます。マミは言います。
「急所を撃とうとしなかったあたり、まだ私の身を案じてくれるだけの気持ちはあるようね」
待て待て待て! さっき、MG42撃ってましたよ! あんなに凶悪な兵器なのに……。
ここで、一番の見せ場であるマミさんとほむらの戦闘は終了です。さぁ、もうハンドガンも出てこないだろう、油断していたら出てきました。魔法少女たちの命の代わりであるソウルジェムをほむらが自ら撃ち抜いたのは、「デザートイーグル50AE」です。一番有名で、一番デカい自動拳銃です。ここまでで、登場ハンドガンは美樹さやか相手に出した「ベレッタF92F」を含め7丁です。
実は、この一連の戦闘は、ほむらが創り出した世界の出来事でした。つまり、盗む必要はなく、好きな銃が手に入り、架空の銃も、高価なドイツの銃も、古い銃でさえも使えたんですね。「新しい武器から古い武器まで、どこから盗んだんだ!?」って思って見てましたけど、なるほど、銃そのものが本作の伏線だったんですね。
使用する武器でキャラクター紹介のみならず、ストーリーの伏線も張る……あっぱれです!
いや〜、武器って本当にいいものですねぇ。
(文=二木知宏[スクラップロゴス])
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