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セーラー服の少女が男たちの首を斬り、腸をえぐる! 終戦直後の日本の“裏社会”を生きる美貌の殺人鬼を描く

161012_ohara02_2.jpg気さくにお話しくださった小原さん!

■東京に行くタイミングを失って、今

——小原さんは、1993年にデビューされてから、一度も東京進出はされていらっしゃらないですよね? 大阪にこだわった理由は、何かあるのでしょうか?

小原 東京に行こうって思ったことはあるんですよ。ただ、ちょうどそのタイミングで父親が亡くなって、長男なんで、ここで大阪を離れるのは違うなと思って。父親がやってた印刷会社をたたむかどうかって話にもなってたし、そうこうしているうちにタイミングを失った感じですね。

——そもそも、漫画家になるきっかけはなんだったんですか?

小原 ベタですけど、子供の頃に『ドラえもん』を読んで、自分も漫画を描きたいなと思ったことが始まりです。ただ、その頃はまだリアルに職業として考えていたわけじゃなかったし、高校卒業後は普通に就職したんです。それから4年近く働いて、「やっぱり漫画描きたいな」って気持ちが芽生えて。

——別の仕事をしている間も、漫画は描いてたんですか?

小原 いや、それがその4年間はまったく描いてなかったんですよね。やろうと思ったら、働きながらでも漫画を描ける人はいるんだろうけど、俺はできなかった。だからスパッと会社を辞めて、1年間真剣に漫画を描いて、いろんな賞に応募してダメだったらまた働こうと思ってたんです。というか、1年頑張ってダメだったら、そもそも漫画家にはなれないだろうなって思ってたんで。

——お笑いの世界とかだったら、何もしなくても、辞めさえしなかったら突然チャンスが巡ってくることがありますけど、漫画はそうじゃない、と。

小原 うーん、漫画は描いた作品が結果として残るじゃないですか。それを何本か描いて、1本も結果が出ないなら、その先はもう、大して変わらないんじゃないかなと思ってたんです。

 まあ、今考えたら、1年って限定することはなかったんだけど、自分は期限を設けないとできないタイプだったんで。結局1年で3本描いて、3本目で「アフタヌーン四季賞」の四季大賞をもらった。本当は1本目から「これはいける!」と思ってたんですけどね(笑)。

——デビューが決まって、担当編集とのやり取りが始まるじゃないですか。大阪にいながら東京の編集者とやり取りするっていうのは、ストレスじゃなかったですか?

小原 そこについては、いい点と悪い点があるかな。まったくひとりで作る漫画ってデビュー作が最初で最後なわけで、次からは編集の人と一緒に作っていくことになる。仕事が続けていけるかは、そこからが勝負なんですよね。その点で、漫画の打ち合わせとかが電話になる分、コミュニケーション能力は絶対必要だと思ってます。ただね、例えばネームチェックしてもらう時、こちらがメールで送って、担当がチェックして、その翌日に電話がかかってくるんですよ。その一晩で心の準備ができるっていうのは大きいなと思ってます。直接東京の編集部にネームを持って行ったことも1、2回あるんですけど、目の前で読み始められた時、どうしたらいいのかわからなくなってしまって(笑)。ものすごく手持ち無沙汰になるんですよね。だから、目の前でネームを読まれて、その場で話で評価されるのも、それはそれで怖いなって。

 もちろん、東京にいたほうが、ちょっとした相談でもすぐに担当編集に会えるし、編集部にいる時に偶然イラストの仕事を頼まれたりするっていう利点はあると思います。1度、編集部にお邪魔した時に、横で違う仕事の打ち合わせが始まって、その打ち合わせをしている人が俺の顔をパッと見て、「そうだ、小原さんにも1枚頼もう」って、すぐに仕事が決まったことがありました。目があった奴に仕事がいく。そのチャンスは東京にいないと難しいんだろうな、とは思いますね。

 まあでも、大阪が大好きで、どうしても大阪から出たくなかったわけではないけど、自分はそこで仕事が成り立ったから、そのまま今に至ってる。今はもう、原稿もデータでやり取りできちゃうし、不便は感じてませんよ。

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