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ソフト・オン・デマンド新社長に35歳のイケメンAV監督が就任! SODの行く末とは

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──浪人を経て、大学では商学部。他の道へ進むことは考えなかったんですか?

野本 就職するにあたって、AV以外の会社への就職は考えなかったです。大学時代からAVの企画ノートというのを鞄にずっと入れていまして、在学中もAVの企画を毎日考えていました。思いつくとメモをとったりして。

──その後、SODに入社。

野本 はい。就職活動が始まっても、AV会社以外は受ける気はなかったので。受けるなら大きいところがいいと、いくつか探す中でSODの新卒採用の募集を見つけたんです。フェチメーカーの募集なんかもありましたが、そっちにいくとフェチなものしか撮れなくなる。SODはミラー号もあったし単体もの、熟女ものなどいろいろなジャンルの作品に取り組んでいたので、ここならいろいろ撮れるって思って受けたのがご縁となりました。

──大学時代に企画ノートに書き込んだアイデアで、実際にその後、AVとして販売された作品はあるんですか?

野本 僕のデビュー作にもなった『ガチンコ素人企画!!トイレのエロ落書きに電話したらエロい女とSEXできるのか?!トイレの落書き大冒険』(2006年)は、そうです。会社に入って2年目くらいでしたか。「AVオープン」の1回目が開かれることになって、「チャレンジステージ」という新人が出られる枠に出場する人材をということで、社内で企画を募集していたんですけど、そのときに応募したら、たまたま僕の作品が選ばれて……。内容はドキュメンタリーです。公衆トイレの壁に書いてある電話番号の落書きがモチーフになっています。みんな気になるけど、怖くて電話でできないその番号に、僕は学生時代から興味を持っていたんですけど、東京中のトイレの落書きを1カ月間全部調査して電話かけまくって、会える子を探して、その公衆トイレでうまく口説き落とすという内容のものでした。採用されたときは、うれしかったですね。

──SODでデビュー作を撮る前後は、ナンパもののADをされていたとか。

野本 はい。当時マジックミラー号のナンパものに1年中携わっていました。ほとんど会社にいないくらいナンパ隊として外に出かけていたんです。ナンパ隊に選ばれることが、そのころのADたちの間では、ひとつのステータスでもありました。1年間、渋谷とか仙台、大阪で出演してくれる素人の女の子を探して、ひたすらナンパをしていました。

──AV製作の現場でナンパ隊って、すごくたいへんなイメージです。

野本 結構つらかったですよ。つかまる日とつかまらない日とがあって、つかまらない日は何百人に声をかけてもつかまらなかったです。つかまる日は午前中だけで5件アポイントがとれたり(笑)。ナンパも、誰でもいいというわけではないんです。お客さんにいいもの届けないといけないので、チャラい女の子より、お客さんがほしいだろうなという、まじめで清楚な人をターゲットにやっていたりもしました。

──その時代、一番つらかったことは何ですか?

野本 この業界でADというのは当時、ほとんど人権というものがなかったんです。ナンパ隊で大阪に出向したとしても、ADは宿も取ってもらえなくて……。仕方がないので、ミラー号の車の下や駐車場の縁石を枕に寝ていましたね。ミラー号の中は機材だらけなので、使えなかったんです。夏場は朝起きると本当に暑くて……でも10時からナンパがはじまるので、その後は、もっとたいへん。先輩にしごかれて千本ノックのような状態で、先輩が指差す人に片っ端から声をかけていました。

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