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麦わらのルフィが白塗り姿で登場!国民的人気コミック『ワンピース』の2.5次元化におったまげ~!!

 スーパー歌舞伎の成り立ちをひも解いてみると、戦後の歌舞伎界が伝統芸能化していることを“歌舞伎界の異端児”先代・市川猿之助(現・市川猿翁)は憂い、歌舞伎本来の野性味を取り戻した新作舞台を企画。そうして1986年から始まったのが、現代語による歌舞伎界のニューウェーブ「スーパー歌舞伎」だった。先代・猿之助の宙づりで有名になった「スーパー歌舞伎」は、梅原猛原作『ヤマトタケル』をはじめ、スケールの大きさと格調の高さで知られたが、市川亀治郎あらため四代目市川猿之助が受け継いだ「スーパー歌舞伎II(セカンド)」の第2弾『ワンピース』には、歌舞伎を観たことのない世代も原作を読んでいない層も気軽に楽しめる大衆性が加わっている。世間からはみ出した者たちが自由を求めて共に旅をする『ONE PIECE』は、もともと歌舞伎向けの題材だったようだ。

 人気コミックの実写化は日本の映画界のみならずハリウッドでも主流となっているが、話題作のキャストが発表される度に「原作とイメージが違う」「キャラの年齢設定と俳優の実年齢が離れている」と公開前から叩かれることが多い。でもスーパー歌舞伎版『ワンピース』を観ていると、原作キャラとキャストの外見が似ているかどうかはさほど重要な問題ではないように思えてくる。原作の世界観がきちんと踏襲されているかどうかを重視するファンもいるが、世界観をいくら忠実に再現しても、それだけでは物語は動き出さない。その点、今回の『ワンピース』の出演者たちは、新しい世界への憧れと失敗を恐れない冒険心を備えたロマンチスト兼チャレンジャーぞろいだ。キャラクターの再現率や世界観の忠実なコピーよりも、もっともっと大事なものが『ワンピース』の舞台には隠されている。大秘宝を探し求めるルフィたちの姿が、新しい歌舞伎界を担う市川猿之助たちと重なり合う。
(文=長野辰次)

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スーパー歌舞伎II『ワンピース』
原作/尾田栄一郎 脚本/横内健介 演出/市川猿之助、横内健介 楽曲提供/北川悠仁(ゆず) 
出演/市川猿之助、市川右近、坂東巳之助、中村隼人、市川春猿、市川弘太郎、坂東竹三郎、市川笑三郎、市川猿弥、市川笑也、市川男女蔵、市川門之助、福士誠治、嘉島典俊、浅野和之
配給/松竹 10月22日(土)より東劇・新宿ピカデリーほか全国公開
(c)尾田栄一郎/集英社・スーパー歌舞伎II『ワンピース』パートナーズ
http://www.shochiku.co.jp/cinemakabuki/onepiece

最終更新:2016/10/21 07:15
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