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MC内郷丸「現代アイドルソング学概論」第1回

解散発表! 前代未聞の“一夫多妻制アイドル”清竜人25の「セルフボースティング」

 今作『My Girls♡』は、このように数多くのジャンルからの影響を楽曲にそのまま取り入れてきた清竜人らしいシティ・ポップだ。ノリノリの清竜人と、ヘタウマがすぎる夫人たちのボーカルのクセがとても強く、彼らならではアイドルソングに仕上がっている。

 たしかに楽曲内ではラップパートこそあるものの、シティ・ポップの域は抜け出ないし、ヒップホップらしさはないように思える。では、なぜこの楽曲を取り上げたか? その理由を解説しよう。

 彼らのヒップホップらしさを紐解くために、一度MVを見てみよう。『My Girls♡』のMVでは、冒頭に紹介したような“男っぷりが露骨に浮き彫りになる女性アイドルグループ”というテイストがより前面に押し出されている。

 庭付きの豪邸で一切の雑用をメイド服を着た夫人たちにやらせながら、彼女たちと戯れ、楽しみつつ、家を出る準備を済ませ出掛けていくという一連のストーリーが描かれる。ベッドから庭まで6人の夫人たちに体を運んでもらい、ワインを飲み、朝食らしき高級ステーキを頬張りながら音楽に合わせて歌い踊る夫人たちを眺める。

 食事のあらゆるは、夫人たちによって口まで運ばれ、着替えはボタンのひとつひとつまで夫人たちにかけてもらう。好きな女たちに愛されながら生活の全てを任せるというハーレム生活。「両手に花」なんてレベルではない。露骨なまでに、アイドルたちが独占されている様子を見せつけられる。

 普通なら「うーんキワモノだなあ……」という感想で終わるところなのだが、実は、ここにこそ、清竜人25のなかの“ヒップホップ“が見て取れるのである。

 豪邸、両手に花、やたら高そうなものを着たり食べたり…。既視感がないだろうか。最近のヒップホップのミュージックビデオではこういったモチーフがよく使われている。たとえばこんな感じである。

「MACKLEMORE & RYAN LEWIS – THRIFT SHOP FEAT. WANZ (OFFICIAL VIDEO)」(YouTubeより)

 やたら高そうなコートを着て、両脇に女を連れているラッパー…。「パーティー」感がすごい。

「Flo Rida-My House」(YouTubeより)

 「Flo Rida(フロー・ライダー)」のこの曲は『My House』という曲だ。「とりあえずうちに来て騒ごう!」としか歌っていない。MVを見ればわかるように、豪邸。でかい椅子に座りこちらも両脇に女を立たせている。

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