日刊サイゾー トップ > 連載・コラム  > スクエニと「不気味の谷」の戦い
オワリカラ・タカハシヒョウリの「サイケデリックな偏愛文化探訪記!」

『ローグ・ワン』『キングスグレイブFF15』に見る、「不気味の谷」をめぐる戦い

 そんな中、今夏公開された日本『KINGSGLAIVE FINAL FANTASY XV』は、ゲームの前日譚を登場人物も含めて、完全フルCGの映画として公開するという意欲的な作品だった。

 FFといえば、2001年に、巨額の予算を投じたフルCG映画を公開し、スクウェア(現スクウェア・エニックス)が傾くほどの失敗をしたことがある。皮肉にも、この失敗が「フルCGによる実写の壁」を強く意識させることとなり、「不気味の谷」という言葉が市民権を得るきっかけになったともいわれる。

 しかし、熱い……。熱いじゃないか! あれだけの大失敗をしても、もう1回FFのフルCG映画をリベンジするその精神。それだけでも見に行く価値があるじゃないか。

 というわけで見に行ったのだけど、やはり、ほとんどのシーンでは「ゲームのCGが動いている」ようにしか見えない。無数のキャラクターが、不気味の谷に落ちていく幻影が浮かぶ。

 しかしその中に、ある瞬間、不気味の谷を越えた! と思えるシーンが現れた。そのあともいくつかのシーンで、本物の人間にしか見えない瞬間が、ある。

 不気味さは……ない!

 いけてる!

 あともうちょっと技術が進歩したら、日本のフルCG映画作品でも不気味の谷を越えられる! 途中から映画の内容はそっちのけで「頑張れ! あとちょっとで谷を越えられるぞ! 頑張れ!」という謎の応援をずっとしていた。

 映画の内容はともかく、『KINGSGLAIVE FINAL FANTASY XV』は、日本のフルCG映画が「不気味の谷」を越えるための助走として、ナイスチャレンジだったと思う。

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