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中国“ヤバい”漫画家・孫向文の「チャイナめった斬り」

中国人漫画家、コミケ初参戦で「二次創作文化に神道の精神を見た」!?

■日本の宗教は寛容な精神を持つ

 現在ではアジアやヨーロッパ諸国でも行われている同人誌イベントですが、やはり表現の豊富さは日本のコミケの作品が突出しているように感じます。そのため、コミケにはユニークな作品を求める中国人や欧米人が多数訪れます。僕の近著『中国が絶対に日本に勝てない理由』(扶桑社)にも書いたのですが、日本に豊かな表現力が芽生えたのは、宗教が大きく関係していると思います。欧米諸国ではキリスト教、中東諸国ではイスラム教、東南アジアでは仏教と、各地域の土着宗教は、その土地の文化に大きな影響を与えます。現在の中国では「中国共産党」が宗教のような影響を及ぼしているのですが、それぞれの宗教には大抵さまざまな戒律が存在し、現在のイスラム教徒によるテロを見ればわかるように、互いが相いれない要因になっています。

 一方、日本土着の神道は、もともとは外国渡来の仏教と「神仏習合」と称して融合したり、本来は禁欲主義の僧侶が配偶者を持つことを許可したりと、非常に寛容性が強い宗教です。世界中で信仰されるキリスト教やイスラム教が日本で普及しないのは、これらの宗教の戒律が神道の精神と合わないためだと思います。

 日本神話に登場する神々は、飲酒、肉食、性行為など自由に振る舞い、一神教の神のように人間に戒律を授けたり、天罰を与えたりすることはほとんどありません。神話の時代から、日本では自由な表現が認められているのです。しかし、僕は将来に不安を感じています。以前、とあるゲームショーの会場内で、中東系と思わしき外国人男性が「同性愛反対」と書かれたプラカードを掲げ、行列に並ぶ人々に向けて抗議を行っていました。僕は自分の宗教上の理由で外国文化を批判する人物は、その国に滞在する資格はないと思うのですが、諸外国の文化の影響からか、日本の創作物に対しても、徐々に規制が強まってきた印象があります。そして世界中から多くの人々が訪れる2020年の東京五輪開催に向けて、規制を厳しくしようという潮流は、今後さらに強まることが予想されます。

 山田太郎前衆議院議員は、毎回コミケが開催されるたびに、表現の自由を訴える街宣活動を行っています。今後、外国人の意見を優先して日本の創作物表現に対する規制強化を提案する政党や代議士が出現するかもしれませんが、そのような意見が浸透することは絶対に防ぐべきです。神道を根本とした表現の自由は、日本の大切な文化です。そのような「日本の宝物」に干渉しようとする人物は、国政に携わる資格がないと僕は思います。

◆「チャイナめった斬り」過去記事はこちらから

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●そん・こうぶん
中華人民共和国浙江省杭州市出身の31歳。中国の表現規制に反発するために執筆活動を続けるプロ漫画家。著書に、『中国のヤバい正体』『中国のもっとヤバい正体』(大洋図書)、『中国人による反中共論』(青林堂)、『中国が絶対に日本に勝てない理由』(扶桑社)がある。
<https://twitter.com/sun_koubun>

最終更新:2017/01/07 16:00
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