迫力カーチェイスに、“50人斬り”アクション……“血煙”が映える『LUPIN THE IIIRD 血煙の石川五エ門』小池健監督インタビュー!
■「いつ敵になるか味方になるのかわからない、緊張感のある関係性に」
―― 前作『次元大介の墓標』は、何だかんだで次元とルパンはパートナーであり相棒なんだなと感じましたが、今回の『血煙の石川五エ門』ではルパンが観察、傍観者のポジションを崩しませんでした。この距離感が面白かったです。
小池 『ルパン』シリーズ全体の時間軸からすると、本作はTVアニメの1stシリーズでルパンと五エ門が初めて会った直後ぐらいをイメージしています。あの時は、五エ門はルパンの命を狙っていて、お互いが敵同士だったじゃないですか。今回のお話では仕事が絡んでいないので敵同士ではないけれど、仲間でもないという関係性なんです。
ルパンはオールマイティなキャラではあるんですけど、スキルが高い人間が好きで、スキルの高い人間を見つけて、仕事の相棒にしていきたいというキャラクターなんだと思うんですよ。ですから仕事によっては敵味方になることはあるんだけど、五エ門に対しても、いずれはできれば仕事を共にする一員にすることができれば、と考えている――そんな距離感を心がけました。
―― 若い五エ門が、我々がよく知る五エ門になっていく過程でもあり、ルパン一味が一味になっていく過程も描かれているわけですね。
小池 そうですね。今回は、五エ門が高みに立つためのお膳だてを、ルパンが知らず知らずのうちにやっているという流れになるように、バランスに注意して物語を組み立てたつもりです。それは次元や不二子との関係性も一緒です。原作やTVアニメ1stシリーズの初期の、いつ敵になるか味方になるのかわからない、という緊張感のある関係性を、このシリーズでは保っていきたいなと考えています。
―― そういったキャラクター同士の関係性でいうと、今作で銭形警部も本格的に登場しましたね。
小池 まだ彼はガッツリとルパンを追っているわけではないんですよ。色んな犯罪を追っているうちに、ルパンがいろいろなところで絡んでいることに気づき始めた、という段階です。ルパンを彼が生涯の敵として心定めていく、という過程もいつか描ければとは思いますが……。
あと、ルパンがあれだけのツールとオールマイティな力を持っているので、銭形のほうもそれと互角か、それ以上という見え方にしないといけない。ですから渋く知的なところも見えるように、と思いながら描きました。
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