迫力カーチェイスに、“50人斬り”アクション……“血煙”が映える『LUPIN THE IIIRD 血煙の石川五エ門』小池健監督インタビュー!
■“「100人斬り”は無理でしたが、50人は斬っています」
―― 若き日のルパンたちを描くということで、『次元大介の墓標』では東西・分裂国家が舞台になっていましたし、今回のゲストキャラも、大きな戦争から帰還した元兵士という時代を感じさせる設定が面白いなと思ったのですが。
小池 そうですね、昭和の中期ぐらいというイメージが伝わるといいなと。またルパンたちがまだ若い、”昔である”という感覚を味わっていただきたいなと。テクノロジーの部分、ビジュアル的にも時代的にあまり突飛にならないように調整しています。
―― 今回は五エ門が主人公で、こういったタイトルだったので、任侠映画みたいだなと思ったんです。この辺は意識された部分ですか?
小池 ……どっちかというと、時代観を掴んでほしいというのが先ですね。武器にしてもドスとか、昔からある銃に武器設定しています。またそういう武器設定にしておくと、鉄竜会にしても幅のあるアクションを見せられるだろうなと。それが結果的に任侠風な雰囲気につながったのかなと思います。任侠風に見せようというのではなく、時代観や相手たちのアクションや立ち位置を考えたら、たまたまそういう位置に落ち着いたという感じです。
―― 結果『次元大介の墓標』のガンアクションとはまた全然ベクトルの違うアクションになりましたよね。また、我々は五エ門が人を斬るシーンを意外と観たことがなかったんだなと気づきました。
小池 モノはよく斬っているんですけどね、「つまらぬものを」(笑)。修行を積んで高みに立った彼の、人を斬っていくシーンをどう見せるのか、どう描けばリアリティを出せるのか。かなり慎重に考えまして、相手側=斬られる相手をスパンスパンと斬られていくというアクションに、とくに注力しましたし、苦労した部分でもあります。
―― ラストのアクションは人数もすごいし、すごい迫力でした。アクションを担当される監督という方を立てられたんですか?
小池 いえ、割り振りをして、自分が分量を管理させてもらいました。脚本には“100人斬り”と書いてあって、それは無理だ! と(笑)、少し減らさせてもらいましたけど、それでも50人は斬っています。
斬られるモブキャラクターに“あ・い・う・え・お……”と番号を振っていって、一応“あ”から“ん”までいったので、鉄流会の面々とあわせて約50人。絵コンテの段階ですでに、どのキャラがどの位置でどれぐらいに斬られるのかを配置していき、その前後のアクションを原画マンさんたちに丁寧に埋めてもらうという形で、まとめました。
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