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【おたぽる】

世界初だらけ! 『幼女戦記』“銃と魔法”はフィクションではなかった!?

 フランソワ共和国軍兵士が装備しているライフルは「ルベルM1886」です。ルベルライフルの愛称で呼ばれていたこの銃の名称は、フランス軍のニコラス・ルベル中佐から取られています。「なるほど、銃を開発したのが、このルベル中佐なのね!」と思うでしょう。そう思っちゃうでしょう! でも、違います! このルベル中佐の大発明は銃ではなく、使用する弾丸なのです。

 それまでの弾丸で主流だったのは、黒色火薬と呼ばれるもので、煙を出すもの。よく西部劇なんかで、拳銃撃った後、銃口から上がる煙をフッと吹いて、くるくるガンアクションしてホルスターにしまうものです。しかし、現代の銃撃戦では煙はあまり出ていません。たまに出しているのもありますが、ギャグ要素として、フッと吹く描写もありますが、あれはほんの冗談です。

 つまり、使用している火薬とは違うんです。今現在、銃で使用している火薬は無煙火薬と呼ばれているもの。昔は、「白色火薬」って言っていた気がするんですけど、多分わかりづらいから呼称が変わったのでしょう。世界初の無煙火薬は「B火薬」です。この“B”はフランス語で白を意味する“ブランシュ”から。つまりは白色火薬という意味ですね。ルベル中佐はこの「B火薬」を使った弾丸、「ルベル弾」を世界で最初に開発したんです。この世界初の「B火薬」を実用的に使える世界初の「ルベル弾」を使用した世界初のライフルこそが、このルベルライフルなんです!

 そりゃ、ルベルの名を冠しますよね。銃の開発者がかわいそう! ですが、煙が出る火薬と煙が少ない火薬、銃で使うならどちらの方が優れているか? この2択なら、どんな人でも煙が少ない方を選ぶと思います。自分で銃撃ったら、視界さえぎられるんじゃ、怖くて撃てません。

 この「ルベルライフル」の出現で、過去の黒色火薬は一気に衰退しました。まさに革命的な銃。「ルベルライフル」は1887年から1940年までフランス軍で正式採用されたライフルです。フランソワ共和国のモデルは、おそらくフランスなのでうなずけます。よく実写映画なんかで、フランス外人部隊がこの「ルベルライフル」を使用しているはずです。注目してみてください。

 大戦中は世界各国がそれぞれ必死ですから、世界レベルで科学技術が飛躍的に向上ます。第一次世界大戦、第二次世界大戦がそうでした。だから、世界初だらけになるんですよ。事実、歴史的に見ても新兵器、新武装、とんでもない武器の数々が大戦を機に開発されました。

 もちろん、この『幼女戦記』のように魔法を使って弾丸が爆発したりはしませんが、連続で弾丸が撃てるライフルである「モンドラゴンM1908」や、「M1ガーランド」は当時の人からしたら、もう魔法としか言いようがなかったことだろうと思います。新兵器は魔法なんです(笑)。

 いやぁ、武器って本当にいいもんですね〜。
(文=二木知宏[スクラップロゴス])

最終更新:2017/02/19 07:15
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