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【おたぽる】

高畑充希演じるココネと歴代神山ヒロインの意外な共通点は!? 映画『ひるね姫 ~知らないワタシの物語~』、神山健治監督インタビュー!

高畑充希演じるココネと歴代神山ヒロインの意外な共通点は!? 映画『ひるね姫 ~知らないワタシの物語~』、神山健治監督インタビュー!の画像1(C)2017 ひるね姫製作委員会

 3月18日、ついに公開を迎える神山健治監督によるオリジナル劇場アニメ『ひるね姫 ~知らないワタシの物語~』(以下、『ひるね姫』)。

『東のエデン』シリーズや『攻殻機動隊S.A.C』シリーズなど、スタイリッシュなSF&アクションの印象が強い神山監督だが、初の劇場オリジナル作『ひるね姫』の舞台は2020年、東京オリンピック開催直前という近未来というのにも近すぎる超近未来、主人公は普通の女子高生・森川ココネ(演:高畑充希)と意表をつく組み合わせで、意外に思ったファンも多いかもしれない。

 ただ、物語はココネが頻繁に同じ夢を見ることを端とし、次第に現実が歪みはじめ、さらに事件にも巻き込まれてしまう。自分が見る夢には何か秘密があるらしいと感じ取ったココネは、事件解決のために東京まで出かけることになるのだが――というもの。夢と現実が交錯し、2つの世界を行ったり来たりするSFであり、ロードムービーでもある。

高畑充希演じるココネと歴代神山ヒロインの意外な共通点は!? 映画『ひるね姫 ~知らないワタシの物語~』、神山健治監督インタビュー!の画像2神山健治監督

 AI、ネットワークといったモチーフも盛り込まれているし、重厚な世界設定、緻密な物語といった神山監督作品らしい一面もうかがえるが、それにしてもなぜ“夢”をテーマとして描こうと思ったのか。制作を終えたばかり、取材続きでちょっとお疲れ気味にも見える神山監督に、『ひるね姫』の見どころ、気になることをいろいろと聞いてみた!

■ “世代の断絶”を描くために選んだ“自動運転”

―― 『ひるね姫』の物語はどのように構築されていかれたのか、教えてください。

神山健治監督(以下、神山) まず普通の女子高生の個人的な家族の話を作っていこうということでスタートしました。ただ、ファンタジーとして飛躍する何かしかけも欲しいということで、僕自身、子どもが小さかったときに、寝る前にはお話を聞かせてあげていたことがあったので、それが現実になってくるお話はどうだろうかと――そこからだんだん話が広がっていったという感じです。

―― 映画のパンフレットのインタビューでも応えられていましたが、最初から世界を救ったり、難事件に挑むというのは考えていなかったんですね。

神山 そうですね。なるべく今回はそういう話ではない、もっとスケールの小さいものでいいのではないかと。むしろ何も起きないことが現代ではファンタジーなんじゃないかというところからスタートしていった感じです。

高畑充希演じるココネと歴代神山ヒロインの意外な共通点は!? 映画『ひるね姫 ~知らないワタシの物語~』、神山健治監督インタビュー!の画像3ハーツ。現実世界では自動運転も可能なサイドカー、夢の世界ではロボットに変形、意志を持ち空をも飛ぶ

―― 何も起きないということですが、構成要素はすごい山盛りで。気になるキーワードがいっぱいあるんですが、まずは「自動運転」は安倍総理大臣が「東京オリンピックは自動運転を~」と触れたニュースもあったり、だいぶ現実が追いついてきた感じもあります。

神山 社会の一番ミニマムケースが家族になるのではないかと思っていまして、その中で“世代”に関することもテーマの一つとして描いてきたいと思っていまして。その時、「テクノロジー」がわかりやすく世代の差異を浮かび上がらせられるんじゃないかなと考えたんです。

 日本は、昭和=20世紀の成功体験が足かせとなって、21世紀になってだいぶ経つのになかなか新しいステージにいけないでいる。そういった日本の現状について、若い人たちには、意識的な垣根はないんだけど、成功体験を持っている上の世代によってもたらされたものが、足かせになっているんじゃないかなっていう思いがありまして。
 
“世代の格差や断絶”を、テクノロジーをキーワードに描こうしたときに、かつて成功した「自動車産業」を使ってみた。インフラを含めて、大きく自動車そのものも変わってこようとしている時代に、自動車の世界一のシェアをとっている日本の車が、スタンドアローンなまま、ネットとつながらないのはなんで? という疑問もありまして。

 そういうところから、「自動運転」というのは、“世代の格差や断絶”を表現しようとした時、一番わかりやすいのではないかと考えたんです。

―― なるほど。ちなみに「2020年」という時代は、なぜ選ばれたのですか?

神山 東京オリンピックも日本にとっての最大の成功体験でしょう。これは後付けなんですけど、21世紀にもう一度同じ東京オリンピックをやったら若い人たちはどう受け取るのかなと思って、今より少し未来ということになったという感じです。

―― 2、3年なんてあっという間ですから、ほぼ現代ですよね。

神山 そうですね。そんなに遠い未来ではなくなりましたね。

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