高畑充希演じるココネと歴代神山ヒロインの意外な共通点は!? 映画『ひるね姫 ~知らないワタシの物語~』、神山健治監督インタビュー!
■もう一つの世界“夢の世界”を分かりやすく伝えるための『桃太郎』
―― ココネが見る夢の世界が、スチームパンクのようでもあり、おとぎ話のようでもあり、面白かったです。
神山 絵のほうから考えていく際、ファンタジーの世界というとどうしても中世ヨーロッパのようなものになりがちなんですが。今回はココネの父親であるモモタロー(演:江口洋介)が若き日に東京に行って感じたことが、あの夢の世界の根本にあり、それをココネ自身が夢想して出来上がった世界、ということで、あのような世界になっています。
“ファンタジー=昔話”となりがちなんですけど――ココネは男親に一人で育てられていましたから、与えられていたおもちゃなんかも、自動車工場にあった機械だったんじゃないかなとか、そういったバックボーンを想定しながら作り上げられた設定となっています。
―― パンフレットを拝見したところ、娘さんに見せてあげたい作品という監督の発言もあります。試写を見てもモモタローの活躍が多くて、“お父さん目線”を意識された作品だなと感じましたが、やっぱり監督の思い入れが込められた結果でしょうか?
神山 それはあるでしょう。物語の裏側にはお父さんとお母さんの両親の想いが当然流れていて、それをココネが追体験していくという話ですから、当然そういう部分はあると思います。
―― 岡山という舞台は、監督がたまたま選ばれたそうですが、『桃太郎』をモチーフにしたのは、岡山が舞台と決めてからですか?
神山 岡山が舞台になってからですね。
――なぜ『桃太郎』だったんでしょうか? やはり岡山といえば、という感じですか?
神山 それも当然ありますが、なるべく夢の世界の設定を、直感的にわかりやすいようにできないかと考えてのことです。どうしても、夢の世界の設定を語るだけでそれなりに時間がかかってしまう。なるべく直感的にわかってもらおうということで、誰でも知っているおとぎ話の『桃太郎』をモチーフにしてみたんです。岡山を舞台にしているのでそれがちょうどいいんじゃないとか、そういうところからの選択ですね。
―― ちなみにココネのお父さんがモモタローで、その友人に猿モチーフの佐渡さん(演:高木渉)、雉がモチーフの雉田さん(演:前野朋哉)がいますが、犬はどこに……
神山 犬はここにいます。(ポスターのジョイを指して)分かりにくいんですけど、柴犬なんですよね。熊かなとかいろいろ思う人もいるんですが、一応ジョイが犬なんです(笑)。
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