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週刊誌スクープ大賞

「週刊文春はスクープを忘れたか」元・名物編集長が“いただけない”週刊誌に喝!

 ガッカリした。私が好きな俳優だった渡瀬恒彦が亡くなってしまった。悲しい。兄の渡哲也より演技は格段にうまかった。渡瀬といえば、大原麗子と結婚していたことを思い出す。離婚して森進一と結婚・離婚したが、渡瀬のことはずっと好きだったらしい。大原が亡くなった時、現代が大原のスクラップブックにこんな書き込みがあったことを紹介している。〈すごく可愛いし/カッコイイよ渡瀬サン/初めてで最後の婚約/結婚〉

 やはり現代で弟の政光がこう振り返っている。「嫌いになって別れたわけではありません。姉は最期の最期まで、渡瀬さんを愛していましたから。ただ、渡瀬家の家風に馴染めなかったんです。女性は家庭に入って夫を支え、子供を育てる。それが渡瀬家の考え方でした。しかし結婚後、姉はますます人気が出てしまった。次々と舞い込む仕事に忙殺される日々。そうして、すれ違いが起き、渡瀬さんご本人というより、渡瀬家の方々との溝が深まっていったんだと思います」

 私と同じ年である。これからもっと渋い、大人の演技を見せてくれると期待していたのに。

 さて、小池都知事が文春で「石原慎太郎のウソを告発する!」と激白している。3月3日に石原が「巌流島に向かう気持ち」で記者会見を行い、10日に発売された文藝春秋4月号に手記を書いたことへの反論という設定である。3度読み返してみた。石原の記者会見は確かに「私は素人」「自分一人の責任ではなく行政全体の責任」「東京ガスとの契約書にサインした覚えがない」など、自分が4期13年も都知事として君臨してきたにもかかわらず、責任回避とボケたふり(いや、本当に痴ほうなのかもしれない)をすることに終始し、見苦しいことはなはだしかった。

 だが、この小池の激白も「なんだかな~」という内容でしかない。石原手記には事実と異なる点がいくつかあるとし、その一つが、小池から都知事選の応援を石原に頼んだという箇所だそうだが、当事者にとっては大事な問題かもしれないが、都民にとっては、もはやどうでもいいことだ。件の記者会見についても小池は、「あそこで『責任は全て私にあります』と言い切っていたら、どれだけ株が上がったことでしょうか」と批判しているが、それを石原に求めるのはハナから無理というものだ。

 東京ガスとの契約書にサインした覚えがないという点に関しては、小池が「大きな金額を決済する時には、きちんと聞きますよ。確認して、説明を受けるのは当たり前のことです」といっているが、その通りだろう。

 石原が再三、「豊洲に移転しないのは小池氏の不作為」で、自身の証人喚問(3月20日)を終えた後、小池への法的措置に踏み切るといっていることについては、「それを言うなら、『築地は古い。狭い、汚い』と言っておきながら、なぜ知事になってから今に至るまで十八年間も放置していたのか。そのことのほうが不作為ではないですか」と反論。

 豊洲は安全といっておきながら、土壌汚染が次々に発覚して、豊洲移転経費は6,000億円を超えてしまっている。「都民のお金が使われているにもかかわらず、コスト感覚がないままに、移転を推進してきたことの裏返しではないでしょうか」(小池)。これももっともだが、もともと豊洲移転は青島時代に始まり、石原、猪瀬、舛添と続いてきたのだから、猪瀬、舛添も喚問する必要があるのではないか。

 小池は、豊洲移転問題が長引いているのは、石原や当時の関係者がいい逃れをして引き延ばしているからで、再調査の結果や、食を扱う市場そのもののあり方の見直し、経営的な問題も考えなくてはいけないからで、「私はずっと総合的な判断で決めると言っています」と主張する。

 しかし、石原や彼の元腹心である浜渦副知事の責任を明確にすることと、豊洲か築地かを決断することは別ではないのかと、都民の一人として私は考える。小池都知事の頭の中には、都議選挙で小池新党を大勝させることしかないのではないかと、思わざるを得ない。どうだろう。石原や内田茂都議の悪行を暴くのとは別に、5月いっぱいで豊洲か築地かを決断すると表明したら。

 そうした上で都議選に臨めば、都民はその都知事の判断にYESかNOかを選択することができる。豊洲は築地より衛生面では勝っているはずだが、築地という名前も残したい。カネに糸目をつけないのなら、一時豊洲へ移転して、築地を大改装した後に戻すという案が、私はいいと思うが、どちらにしても難問である。都民に丸投げすることだけはやめてほしいものだ。

 20日に石原が百条委員会に出て都議たちの質問に答えている姿を見て、「老残」という思いを強くした。

 確かに「覚えていない」「浜渦に一任していた」など、責任逃れの発言に終始したが、あのカッコよかった慎太郎が、あのようになるとはと、涙が出た。彼は昔の彼ならず。それに、石原を問い詰めるはずの都議たちの質問の切っ先の鈍さ。石原でなくとも、お前たちはオレに何を聞きたいのかと言いたくもなる。

 メディアは、なんら解明につながらなかったと書いているが、浜渦や石原を呼んで、なんと自白したら拍手喝さいしたのか?

 小池は、豊洲のベンゼンのことをあげつらうが、築地の汚さ、不衛生さと比較したデータを即刻出すべきだ。汚さを競い合っていても仕方あるまい。どうしたら東京都民の食卓に載るものを安全・安心に提供できるのか。もう時間はないはずだ。

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