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【おたぽる】

『シン・ゴジラ』とネガポジの関係にある特撮映画とは? バカ映画の巨匠が語る“怪獣愛”、そして“家族愛”!

■敬礼シーンに秘められた特撮界ちょっといい話

『シン・ゴジラ』とネガポジの関係にある特撮映画とは? バカ映画の巨匠が語る怪獣愛、そして家族愛!の画像4地底怪獣モノと戦うのは、人気イケメンレスラーの飯伏幸太。特撮セットで華麗なスープレックス&空中殺法を繰り広げる。

──『大怪獣モノ』の変身後の主人公には人気プロレスラーの飯伏選手を起用。近年のプロレスブームを反映させたキャスティングですね。

河崎 飯伏選手をキャスティングできたのはよかったんだけど、2015年の暮れに撮影する予定が、彼が椎間板ヘルニアになって撮影中止になったんです。これには困りました。長州小力が注射をうったら長州力に変身するという別のストーリーも考えて、長州力に出演の打診もしたんだけどね。まぁ、飯伏選手が復活して、16年の春には撮影することができたんで、7月の公開に間に合ったんです。台詞は棒読みですが、さすが人気レスラーだけあって撮影現場での呑み込みの早さや表現力は素晴しいものがありましたよ。現役時代の長嶋茂雄が主演した『ミスター・ジャイアンツ 勝利の旗』(64年)という映画があったけど、あれも長嶋選手は台詞を棒読み。でもいいんです、スター選手なんだから。力道山が主演した映画もありました。最近はスターが主演した映画がないでしょ。そういったスター主演映画をつくりたかったというのもありましたね。鈴木みのる選手にも出てもらったけど、彼もいいよね。新日本プロレスで1988年にデビューして、今もバリバリの現役でしょ。彼こそ“プロレスモノ”だよね。

──元プロボクサー赤井英和の実娘であり、DTT所属の美形レスラーでもある赤井沙希も謎の女役でいい感じです。

河崎 飯伏選手は芸能関係での所属はオスカープロモーションになっていて、彼女もオスカー所属という縁で出演することになったんです。プロレスの才能はもちろんのこと、彼女は女優としての才能もありますね。峰不二子的なセクシーなキャラクターをうまく演じてくれたし、あのルックスでアクションもできる。父親の血が流れているんだなと感じさせますよね。

『シン・ゴジラ』とネガポジの関係にある特撮映画とは? バカ映画の巨匠が語る怪獣愛、そして家族愛!の画像5愛する美和(河西美希)のため、陽出人(斉藤秀翼)は戦うことを決意する。今回の河崎作品は恋愛要素も入っている!

──『ウルトラマンレオ』(74年)に主演した真夏竜、『ウルトラセブン』(67年)のアマギ隊員こと古谷敏、『帰ってきたウルトラマン』(71年)のスーツアクターだったきくち英一、実相寺昭雄監督作品の常連だった堀内正美……とウルトラシリーズゆかりの俳優たちも大挙出演。

河崎 真夏さん、いいでしょ? 70歳を過ぎた真夏さんに女装癖のある博士役をやらせるなんて、どーかしていますよね(笑)。でも本人はすごく喜んでくれた。特撮もののヒーロー役をやると、そのイメージが強すぎて、いろんな役が来なくなるものなんです。役者ってね、幾つになっても面白い役をやりたがるんですよ。まぁ、今回のキャスティングでいちばんの肝になったのは毒蝮三太夫さんでしょう。毒蝮といえば、やはり『ウルトラマン』のアラシ隊員。ネロンガの光線を浴びても死なず、最終回にはウルトラマンを倒したゼットンをペンシル爆弾でやっつけています。毒蝮こそ最強の男なんです。うちの嫁がまむしさんのファンで、『毒蝮三太夫のミュージックプレゼント』(TBSラジオ)の公開収録の現場に行って出演交渉しました(笑)。『大怪獣モノ』の中で、古谷さんが演じている防衛長官が「毒蝮に敬礼!」というシーンがあるでしょ。あれはかつて古谷さんが経営していたイベント会社が倒産して困っていたときに、『ウルトラマン』『ウルトラセブン』で共演した毒蝮さんが救いの手を伸ばしたというエピソードが背景にあるんです。だから古谷さんの敬礼ポーズにはすごく実感がこもっているんです。

■東スポの記事は正しかった!?

──『ウルトラマン』をリアルタイムで観て育った河崎監督は、いわば第一オタク世代。自分の好きな世界を追い続けてきた河崎監督が15年に一般女性と結婚したのには驚きました。東京スポーツは「19歳年下女性と交際4カ月スピード婚」と報じましたが、東スポの記事は正しいんでしょうか?

河崎 いや、その通りです。14年に出逢って、その翌年に56歳で結婚しました。聞いた話だけれど40歳過ぎて初婚で結婚できる確率は3%らしいから、ほとんど絶滅危惧種みたいなものだよね。本当、人生何が起こるかわかりません。うちの嫁は一般女性です。女優はこりごりですよ(苦笑)。女優と結婚しようと映画監督が考えるのは、ヒモになるという要素もありますね。篠田正浩、大島渚、長谷川和彦(以下略)……。みなさん女優と一緒になっているけど、映画監督の仕事だけじゃ不安定だし、妻が働いて支えるというね。また、その稼ぎを映画にぶっこんじゃう。監督が女優と結婚するって、そういうことですよ。

──19歳年下の奥さまは特撮好きなんですか?

河崎 残念ながら、嫁は全く特撮に興味がないんですよ。世代も違うし趣味嗜好も違うけど、今まで自分が知らなかった世界を知ることもできて面白いですよ。

──『地球防衛未亡人』の公開時に「夕刊フジ」のインタビューで「好きなことを続ける秘訣は?」と河崎監督は尋ねられ、「親兄弟を犠牲にすること。あと女もね、ハハハ」と答えていますが……。

河崎 うちの嫁とまだ出逢う前でしたね、そのインタビューは。僕は兄弟はいないけど、確かに両親には迷惑かけっぱなし。実家はフグ料理屋なんだけど、父親は90歳を越えた今もフグを調理していますよ(笑)。ひとり息子がバカ映画を撮り続けたことを、よく許してくれたなと感謝しています。まぁ、これから嫁にも迷惑かけると思いますが……。『地球防衛少女イコちゃん』で監督デビューしてから今日まで、ノープランでよく仕事が続いたものだなと自分でも思いますよ(笑)。

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