デビュー40周年!“アニソン界のプリンス”影山ヒロノブの「衝撃を受けたアーティスト」と「続けられた理由」
──ソロになった頃、やりたいと考えたものにアニソンはマッチしていたんでしょうか?
影山 ソロになって、ボクは自分でも悩みながら曲をつくってライブをしていたのです。だから、アニソンが好みとかどうかなんて、そもそも考えられる状況じゃなかった。久々の自分を必要としてくれた人からの仕事の依頼だったから、なんとしても、その人の期待に応えたい! その一心でした。
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その後、アニメソングシンガーの第一人者としてキャリアを重ねていった影山だが、多くの人との出会いの中で、その歩みを進めてきた。
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──40年間の活動の中で、印象に残っているミュージシャンはいらっしゃいますか。
影山 まずは、かまやつさんです。かまやつさんが、いなければデビューはしていませんから。
次は、松崎しげるさんです。松崎さんの自宅には3カ月くらい住んでいたこともあるのですが、男として一生懸命仕事することの意味を教えてもらいました。
例えば、スタジオに長時間いるのを嫌うシンガーも多いんですよ。窓もないし、煮詰まると苦しい空間ですよね。
でも、松崎さんと気持ちが通じ合ったのは、お互いにスタジオにずっといても平気だったからなんですね。
二十歳の頃でしたけど「カゲ(影山)も俺も、スタジオの中に何時間いても平気だものなあ~」と松崎さんにいわれて、自分もそう思ったんです。だって、煮詰まっていてもスタジオで音楽を作っているのは楽しい。ギターはずっと弾いていて楽しいじゃないですか。
それをきっかけに、俺ももっと一人前になったら、松崎さんみたいに、堂々とわたっていける人になりたいと、考えるようになりました。
──ライバルとして意識した同世代のミュージシャンもいたのではないですか?
影山 一番、衝撃を受けたのはサザンオールスターズですね。
初めて、テレビ番組で一緒になったときに「音が小さいのに、なんでこんなに迫力があるんだろう」と思いました。
LAZYは、もともとハードロック色が強いからギターアンプもしっかり鳴らすし、ドラムもすごいパワフルなんです。ところが、サザンオールスターズって、ギターとかもフェンダーのアンプ(フェンダー社製ギターアンプはあまりひずまないサウンドに適している)。いい音だけど、音量も小さいしドラムも小さい。ボーカルもシャウトしない。それなのに……すごい迫力があったんです!「……これは、本物だ」と思いましたよ。
それまで、ロックは、大きな音でガツンとぶつけるものだと思っていたのに、それだけではないことに気づかされたんですから。「人には言えないけれど、この人たちは自分たちよりも何倍もすごい」と思いましたよ。
──ひとつの目標になったということですか。
影山 自分は、そう思いました。「音がデカいけど負けてる」と。もっと、ルーツから辿ってロックのことをわかっていないと自分のスタイルは築けないなと。それがLAZYではなく、ソロでやっていこうと思った、ひとつのきっかけでもあります。
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