日刊サイゾー トップ > エンタメ > ドラマ  > 『SR』新将軍としての旅立ち!

『SRサイタマノラッパー~マイクの細道~』第3話 ノスタルジーとの決別、新将軍としての旅立ち!

 MIGHTYだけトラックの助手席に座り、IKKUとTOMは荷台へと閉じ込められるはめに。ふて腐れるIKKUだが、この最弱ダメダメコンビの唯一の長所はドン底にいる自分らの状況をラップよって相対化させることができるという点だ。社会から抑圧された黒人文化からジャズ、ソウル、ヒップホップが生まれ、日本の労働歌として民謡が育まれていったように、トラックの荷台で揺られるIKKUの口から自然と歌詞がこぼれ落ちていく。

IKKU「どこにあるんだ、俺たちのフリーダム。MIGHTYの野郎、助手席でズリぃーなぁ。寒いの上等、狭いの上等。SHO-GUNGの旅は三人旅~、ラップの道は曲がり道~♪」

 ラップの即興性とみちのく旅情を感じさせる浪曲・演歌調の節回しをリミックスさせたメロディを口ずさむIKKU。何となくだが、新生「SHO-GUNG」の目指す方向性がぼんやりと見えてくる。そしてトラックの荷台には、メガネ中年・マキノとの結婚を嫌うトーコが密航者として潜んでいた。荷物の隙間から、つぶらな瞳をきょろつかせるトーコ。フランク・ヘネンロッター監督のカルト映画『バスケットケース』(82)のベリアル兄ちゃんみたいで超キュートだ。

 クラブチッタでのライブ開催まで、2週間足らず。それまでに新生「SHO-GUNG」の新曲はできるのか。TOMの嫁トリーシャは埼玉でTOMの帰りをちゃんと待っているのか。MIGHTYの元カノ・一美の再登場はあるのか。そして、かねてより童貞の疑いが噂されているIKKUは晴れて童貞ラッパーから卒業することができるのか(ちなみに『男はつらいよ』の寅さんも素人童貞らしい)。それぞれの課題を抱え、甦った「SHO-GUNG」は遥か川崎クラブチッタを目指す。SFアニメ『宇宙戦艦ヤマト』のエンディングみたいでちょっとかっこいい。SHO-GUNGよ急げ、自分たちと埼玉の未来を懸けて。運命のライブまで残り13日!
(文=長野辰次)

最終更新:2017/04/24 19:01
123
ページ上部へ戻る

配給映画

トップページへ
日刊サイゾー|エンタメ・お笑い・ドラマ・社会の最新ニュース
  • facebook
  • twitter
  • feed
特集

【4月開始の春ドラマ】放送日、視聴率・裏事情・忖度なしレビュー!

月9、日曜劇場、木曜劇場…スタート日一覧、最新情報公開中!
写真
インタビュー

『マツコの知らない世界』出演裏話

1月23日放送の『マツコの知らない世界』(T...…
写真
人気連載

『24時間テレビ』強行放送の日テレに反省の色ナシ

「愛は地球を救う」のキャッチフレーズで197...…
写真
イチオシ記事

バナナマン・設楽が語った「売れ方」の話

 ウエストランド・井口浩之ととろサーモン・久保田かずのぶというお笑い界きっての毒舌芸人2人によるトーク番組『耳の穴かっぽじって聞け!』(テレビ朝日...…
写真