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【おたぽる】

劇場アニメ『BLAME!』は、監督の“実写的な感性”とアニメの魅力が融合された作品!?/瀬下寛之監督インタビュー

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 3DCGアニメーション映画『BLAME!(ブラム)』(5月20日全国公開)を試写会で見て、狂喜した。これは間違いなく今年のアニメ・シーンを代表する1本であり、昨年絶好調だった国産アニメ映画の波をさらに増幅させるに足るダイナミックな快作である。

『シドニアの騎士』で知られる弐瓶勉がデビュー間もない1997年より連載を開始し、20年を経た今も熱烈に支持されているSF漫画を原作とするこの作品、ネットワークの暴走によって都市から駆除される存在と化し、人類が絶滅寸前にまで追いやられてしまった未来世界を舞台に“世界を正常化させる鍵”ネット端末遺伝子を探し求める探索者・霧亥(キリイ)の戦いが描かれる。

 本作は、原作者自身が総監修を務め完全新作ストーリーを構築。制作は『シドニアの騎士』(14年)、『亜人』(16年)などで3DCGセルルック技術を大いに飛躍させたポリゴン・ピクチュアズ。そして監督は、『河童』(94年/CG)『大日本人』(07年/VFX監督)などの実写作品を経て、『シドニアの騎士』で副監督、『シドニアの騎士 第九惑星戦役』(15年)で監督、『亜人』(16年)で総監督を務めた瀬下寛之。

 今回は、現在『GODZILLA 怪獣惑星』(静野孔文と共同)の今秋上映をめざして邁進&多忙中の瀬下監督に『BLAME!』についてお話をうかがってみた。

1705_BLAME_02.jpgネット端末遺伝子を探し求める探索者・霧亥(キリイ)

■映画化のキッカケは“悪ノリ”だった

―― 映画『BLAME!』堪能させていただきました。間違いなく今年を代表する1本足り得た傑作だと確信しています。3DCGセルルック技術の飛躍的なまでの進歩とでもいいますか、いろいろな映像表現方法のひとつとして確立されたなといった感慨もあります。実のところ、3DCGがどうのセルルックがどうのといったことなど忘れて、今回は“映画”そのものとして没入して見ていました。

瀬下寛之(以下、瀬下) そう言っていただけるのが我々の目標なので、うれしいですね。まだまだ手探りではあるのですが、スタッフ一同がこだわりにこだわって頑張ってくれました。

―― もともとの企画の発端は、やはり『シドニアの騎士 第九惑星戦役』の第8話《再会》の中で、ショートアニメ『BLAME! 端末遺構都市』を劇中映画として制作したことでしょうか?

瀬下 ちょうど『第九惑星戦役』の脚本開発をやっているときでした。原作版では『バイオメガ』という作品が劇中劇で登場するのですが、『BLAME!』に替えちゃえば? とエグゼクティブ・プロデューサーの守屋からアイデアが出まして。同じ弐瓶先生の原作だし、僕も『BLAME!』のファンでしたので、早速、脚本とコンテを作って、弐瓶先生にお見せしてOKをいただき、およそ1分半のショートアニメを作ることになったんです。

 ですから、もともとは悪ノリというか(笑)。喜ぶファンも少なからずいるでしょうし、Blu-rayなどの特典に入れれば付加価値も出るだろうと。結果的には、ファンの皆さんの評判と応援も盛り上がり、内外の関係者がそれを見て「これは映画にすべきじゃないか?」と。

―― 実際『BLAME!』は幾度か映画化が企画され、短編も作られていますので、皆が機会をうかがっていたところはあったのでしょうね。

瀬下 弐瓶先生も『BLAME!』の映画化は難しいのではないかと以前おっしゃってましたが、いざ映像化してみたら想像以上に良い出来だったので、その後はそのショートアニメをパイロット版として、自然な流れで今回の映画化に至ったわけです。

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