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7.9%スタートの窪田正孝主演『僕たちがやりました』9時台で「不快な人間を見せる」という試みは成功するか

■28歳の窪田くんに高校生役が務まるのかという問い

 放送前からあちこちで取り沙汰されていたのが、実年齢28歳の窪田正孝が高校生を演じることへの違和感でした。しかし、ここまで見た限り、印象としては全然大丈夫。もともと、いい意味で色味の薄い俳優さんでもありますし、みんなで大ハシャギしながら歌っているのが全部懐メロなこととか、そのへんが人物観をちょっと年齢高めに寄せている感じになっていて、それにマッチしているのかもしれません。

 そして何より、窪田くんより10コ年上の実年齢38歳なのに、20歳のパイセンを演じている今野浩喜が横にいるので、細かいことはどうでもよくなってしまいます。何しろ、この今野がピンズドなんです。ダミ声なのに聞きやすい独特の声で発せられる胡散臭い関西弁も、やけに上手いタンバリンさばきも(練習したそうです=記事参照)、ハシャいでいるのにどこか寂しげで、他に類を見ない独特な造形の顔面も、まるでコミックからそのまま立ち上がってきたようなパイセンそのもの。実に信用できる配置です。

 というか、この『僕たちがやりました』という物語で、もっとも深く背景を掘り下げられる人物は、原作通りなら、実はパイセンなのです。パイセンの金によって目的のないモラトリアムを楽しく過ごしていた高校生3人が、パイセンのチョンボによって“逃亡犯”に仕立て上げられる。逃亡中もパイセンの金に振り回され、パイセンの心情や行動や環境に影響を受けながら、生き方を模索する話。つまり、パイセンというキャラクター造形の成否が、このドラマの核になる部分だったわけです。

「だったわけです」と過去形で書いたのは、とりあえず成功していると思ったからです。展開が、というか、原作の改変がどう転んでも、このパイセンだけ愛でていればドラマを完走することができそうです。後輩芸人のネタである「ダンソン!」とか「空前絶後のー!」とかを全力で演じちゃう今野パイセン。「塀を乗り越えて高校に侵入する」という、何か遠い記憶が甦りそうなシーンを嬉々として演じる今野パイセン。かわいいよパイセン。

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