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全然微笑ましくない「男子は好きな子をいじめちゃう」説の迷惑

 「男子は、好きな子をいじめてしまう」という話を聞く。特に未就学~小学生の男児が、好きな女児のことがかわいいあまり、ついちょっかいを出してしまう、という意味合いで、どことなく“微笑ましい”ニュアンスを使われることが多い。

 ただ、いかんせん当該人が未就学~小学生の男児で、自身の気持ちを理解・言語化するのが難しいであろうこともあり、本当に「好きだからいじめている」のか真相は謎だ。いずれにせよ、男児にちょっかいを出された女児にとっては大概、迷惑な話だろう。

 ある意味、育児および性別ステレオタイプ、というか恋愛の“神話”として機能している「好きだからいじめちゃう」言説。男児に限らず、成人男性においても「好きだからいじめちゃう」がアリだと考える人は多いようだ。小学館が運営するwebサイト「メンジョイ!」で、そうした内容の恋愛記事を2本同時に見つけた。

▼無神経…いや愛なんです!批判っぽいけど「実は脈アリ」なセリフ4つ

  交際しているわけでもない男性から否定的な言葉をぶつけられると嫌な気持ちになるものだが、「けれど、そんな批判フレーズにも、実は彼からのドクドクと脈打つ愛のサインが隠されていたとしたら!?」とのことで、「批判っぽいけど“実は脈アリ”なセリフ」が4パターン提示されている。

パターン1:「なんでそんな短いスカート履くの?」
パターン2:「化粧濃くない?」
パターン3:「その服、変じゃない?」
パターン4:「口、クサくない?」

 関係性によってはセクシュアル・ハラスメントにあたる気もするが、男子が女子に1~4のセリフを言うのは脈アリの可能性が高いからなのだという。たとえば、「なんでそんな短いスカート履くの?」と言われた場合、<ファッションに意見するというのは、それだけ異性として見ている証><アアッ!そ、そんなに足をあらわにするなんてッ……。俺以外の男には、頼むから見せないでくれッ>という“カワイイ本心”が潜んでいる可能性も高い、と、男性の本心を探る。「化粧濃くない?」も同様に<気にしている女子だからこそ、化粧の濃淡が気になる>からだそうである。

 「その服、変じゃない?」も、<幼い頃、気になる子のスカートをめくった男子ほど、オトナになってもお気に入りの女子にちょっかいを出したがる傾向アリ>で、<好きな子だから、なんとなくイジワルしたい>という“微妙な恋ゴコロ”が隠れているから。最後の、普通は大変言いにくいと思われるワード「口、クサくない?」だって、<それだけ至近距離になっているということでもありますので、好感を抱いているのは確か>であり、<一般的には指摘しにくい口臭を指摘するということは、男子としてはその女子に対して大きな親しみを抱いている可能性も>と解釈してみせるからスゴイ。

 だから男子にこんなことを言われムカついても聞き流そう、次回からナチュラルメイクにしたりエチケットに気を配ってみようとアドバイスを送り、<こんなフレーズを口にする男子がいたら「キャッ、私のこと気にしてるぅ!」と思っても、まんざら間違いではないんですよ>と結論づけている。なんでもポジティブに捉えられるのは結構なことだが、記事の大前提となっている“脈アリでさえあれば(つまり自分に好意を抱いているのならば)男子の失礼発言を女子は受け入れられる”という考えがおかしい。

好きなら何しても許すの?

 好意由来だからといって、失礼な言動を「私のことを好きだからなのね」とうれしく咀嚼できるものだろうか。女子は男子に好かれたいしモテたい人種で、脈アリやモテを得られるならば何言われても「キャッ、私のこと気にしてるぅ!」と舞い上がって許せちゃう? いやいや、交際相手や配偶者であっても、口臭はともかく、「好きだから」で化粧やファッションにダメ出しをされたら困惑ものだろう。

 また、悪意ゆえの「イジワル」はさすがに拒絶するものの、好意からくる「イジワル」ならば肯定するというのも解せない。こんな記事もあった。

▼最低の仕打ちだけど…なぜかキュンとする「男のイジワル行為」2選

 こちらは女子がなぜかキュンとしちゃった「男子のイジワル」エピソードの紹介だ。ひとりめの女性・ナミさん(28歳)は、男3女3で海に行く計画を立てる際、仲良しの男友達に 「ナミは来なくていいよ!」と言われ、女友達も庇ってくれず、なんと本当に自分を除いた5人だけで海に行ってしまったという。数日後、来るなと言った男友達から「この間は悪かった。ちょっと飲もう」とLINEが入る。ナミさんが絶交するつもりで会いに行くと、彼の態度がどこか弱々しい。ナミさんが泥酔して海の件での怒りをぶつけると彼は、「いや、そのぉ。なんだ。俺……、ナミのことが好きなんだ」「本気なんだ。最初に見たときから好きだった。一目惚れってやつ。だから、ナミの水着姿を他の男に見せたくなかったんだよ! ごめん!」と、まさかの愛の告白。そして現在、ナミさんはその彼と交際して3年になるのだという。

 ふたりめのリサさん(34歳)は、かつてバーテンダーをしている彼と付き合っていたが、彼は「今の職業じゃ、君の両親に挨拶できない」と転職活動をするもののうまくいかず、ふたりの関係も険悪に。「オマエみたいな世間知らずのお嬢様、悲しみを知らないから、人の心の痛みがわからないんだ!」とも言われ、別れた。しかし実は、彼はリサさんのためを思って敢えて自分が嫌われるよう仕向けたと後にわかる。リサさんは総合商社の男性にアプローチされていて、それを知った彼は「自分と一緒になるより、その男と一緒になったほうがいい」と考えたらしい。彼の知人からその話を聞かされ、リサさんは「一番の優しさだった」と感動したという。

 <「ひどい男!」と思う行為の裏に隠されていた、男子ならではの密かな想い……。みなさんは、この不器用さに付き合ってあげられますか?>と締めくくられているのだが、“恋愛感情”や“優しさ”ゆえのひどい行為(暴言や仲間外れや八つ当たり)を、当事者が個人的に肯定するのはともかく、イイ話として広めるのはおかしいのではないだろうか。

 男女問わず誰でも恋愛において間違った行動、相手を傷つける言動をするものだが、「実は好きだったから」は免罪符にならない。「好き」から派生したものであっても、間違いは間違い、暴言は暴言だと認めたほうがいいのではないか。それに、「好意」も相手にとっては迷惑だったり、好意ゆえの行動が恐怖心を与えていたりすることもある。

 よく女性が男性に「察して」を求めるけれどそれは難しい(男は鈍感だからという理由が多い)、という記事も見かけるが、こうした「好きだからイジワル」系の行動で「察して」もらいたがっているのは男性側である。“ツンデレ”は二次元だけにしてもらいたいものだ。

最終更新:2017/08/24 07:15
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