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【出版販促コンサルタントに聞いた 後編】

書店に並ぶ本の40%が「返品」されている! 数値から見る出版不況

■読書離れの実態を数字で追う~電車で見かけなくなった雑誌を読む人

――出版不況は、読者側の読書離れもあるのでしょうか。

山本 実際あると思いますね。文化庁の平成25年の調査では1カ月に一冊も本を読まない人が47.5%でした。およそ10年前の平成14年度では37.6%でしたので、年々増えているんです。

――この文化庁の『国語に関する世論調査』は毎年行われていますが、平成25年度を最後に、1カ月に読んだ本の冊数を聞く質問そのものがなくなってしまっていますね。電子書籍に移っているのでしょうか?

山本 電子書籍というより、ゲームや動画など「本ではない娯楽」へ流出していると思いますね。特に雑誌は厳しいです。電車の中で紙の雑誌を読む人をずいぶん見かけなくなりました。マンガそのものは好調ですが、マンガをスマホで読む人が増え、紙のマンガ雑誌も発行部数を落としています。

――聞けば聞くほど出版業界に明るい兆しを感じにくいですが、それでも明るいジャンルを上げるとしたら何でしょう?

山本 「児童書」は手堅いと思います。少子化なので、意外なように聞こえるかもしれませんが、子供の数が減り、親が一人の子供にかけられるお金はむしろ増えていますから。

――確かに、親は子供の未来に対しては切実ですしね。前編で「萌え」が強いとありましたが、「児童書」「萌え」はどちらも「金を出そうと読者(もしくは読者の親)が切実に思える」点がずば抜けているのでしょうね。

山本 一方で、苦しいジャンルはマニュアル系の書籍でしょう。

――特にIT系だと内容がすぐ陳腐化してしまいますし、ネットでいくらでも丁寧に解説したサイトが今はありますからね。

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