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【wezzy】

NHK桑子真帆アナに「愛嬌がない」女子ゴルファーに「セクシーなだけじゃない」…下世話な目線をうやむやにする性別依拠のジャッジ

 本コラムの担当編集者と、「非エロ」の仕事している女性をとにもかくにもエロの目線で捉えて品評する臆面のなさに恥じらいはないのか、との話になった。そう、その臆面のなさを論証していくのがこの連載の狙いではあるのだが、編集者はとりわけ昨今の「女子プロゴルファー」に向かうエロ目線が気に障るという。おそらくそれは、アナウンサーやフライトアテンダントや秘書といった、女性が担うことの多い職種に向けられてきた目線とも近しいはず。

 雑誌『GOETHE』 は毎年欠かさず「秘書」特集を組むのだが、その度に、彼女たちはキレイなだけじゃなくて仕事も出来る、という高みからのジャッジを読者と共有しようとする。その一方で、毎回、「床に落ちたプリントを秘書に拾わせる」というシチュエーションでの写真を盛り込む。今年の秘書特集をめくっても、その構図は健在だった。秘書の皆さんは、そんなに床にプリントを落とさないと思うのだが、そうやって、おっちょこちょいなシチュエーションに、エロの目線をうっすらと介入させていく。その介入は、読者に向けたサービスなのだろう。いいや、私たちは彼女たちの仕事っぷりを評価しているのであって、キレイだから取り上げているわけではないんですよ、という言い訳に支えられている特集だが、この言い訳が毎年繰り返されている感じって、何とも心地悪い。

 無論、開き直っちゃえばいいのに、というわけではない。下記のように、女子アナに対するだらしない目線が、「日本の針路を考える論壇」(HPより)を謳う論壇誌に登場している様子を見かける。目も当てられない。

「桑子はブラタモリに出ている頃は良かったが、この頃は美人に見えない。(略)ニュースの現場で変な左翼主義とか平和主義に染まったり、専門家でもないのに上から目線で『政府を批判することを言わなきゃ』なんて考えたりしているうちに、愛嬌がなくなっていくんだよ」

(メディア裏通信簿『正論』2017年10月号)

 保守論壇誌『正論』の座談会連載でなぜか槍玉に挙げられているのがNHKの桑子真帆アナウンサー。アメリカが選択肢として匂わせる北朝鮮への軍事攻撃に対して、桑子アナが否定的なコメントをしたことに端を発して、座談会の参加者「先生」「編集者」「女史」が茶々を入れ始めたのが上記である(引用部分は「先生」)。正直、意味不明だが、この雑誌の女性に対する見方、評価軸がしっかりと浮き彫りになっている。この発言を受けて「左翼になると、ブスになるって意味ならそれは間違いでしょ」(女史)とつなげたのに対し、「左翼番組のTBS系報道特集のキャスター、膳場貴子さんだって、とてもセクシーですよ。ときどき胸元を強調した服装をしていて、私もテレビを凝視してしまいます」(編集者)と続くのだから、この雑誌が打ち出してくる“正論”に繰り返し呆れる。フリーアナウンサー・小林麻耶が8月15日にブログで「回天特攻隊員の遺書」を載せたことについては、持論と合致することもあってか、ただただ誉め称えるのだが、「麻耶チャンはかわいいし♥」(編集者)とまとめられるのだった。

 未だに女性アナウンサーがこういう見方で処理されている。一丁前に意見しようとするから愛嬌がなくなるんだよね、との見解と対峙していくのは疲弊する。なんというか、まだこういうことやってんのか、ということを、まだやっているのである。

改ページ

「ナイスバディを拝めるのが楽しみ(30代・男性)」
「あのぴったりしたウェアが気になっている(40代・男性)」

(『女子プロゴルファー 美しさと強さの秘密』宝島社)

 で、その「女子アナ」に向かうような目線が、今度は「女子プロゴルファー」に向けられている。とりわけ、韓国人ゴルファー、アン・シネが人気を博しているが、特集雑誌から彼女を見に来たギャラリーの声を拾うと(上記)、その目線は露骨だ。彼女を見るためにゴルフ場を訪れるギャラリーが増え、ゴルフ雑誌は軒並み彼女の写真を掲載しているが、当然、誌面の作りは、ゴルフの実力云々よりも、「ナイスバディを拝める」方面を優先させていく。

 秘書や女子アナとまったく同じ構図なのだが、美貌やナイスバディを散々取り上げておきながら、それだけじゃないよ、との見解を被せてくる。例えば、「ファッションやセクシーさばかりが強調されがちだが、彼女は決してゴージャスで華やかな道だけを歩んできたわけではない。そのキャリアを振り返ると、苦労と試練も多かった」(前出誌掲載・慎武宏氏のテキスト)といった分析が同じ雑誌に盛り込まれる。そう補足しておくことで、下世話な目線を必死にうやむやにしていく。

 キレイなだけではない、セクシーなだけではない、と男性目線の側が補足し、管轄したがる姿勢に歪みを感じる。秘書にしろ、アナウンサーにしろ、アスリートにしろ、活躍している女性を見つけると、まずは性別に依拠したジャッジをする。その後で、それだけじゃないよ、というフォローする。どうやらそれで、エロの目線で捉えて品評する臆面のなさを隠しているつもりのようなのだ。この決まり切った構図に、とってもストレートな「気持ち悪いっすよ」を向けたい。実力も評価しているからさ、という上空飛行ならではの言い訳って浅ましい。言い訳があろうとなかろうと、セクシズムはセクシズムである。メディアが呼吸するように繰り返すこの悪習は、いわゆる「オッサン目線」が露骨な媒体だけではなく、あちこちに染み渡っている。あちこちで繰り返される以上、繰り返し「気持ち悪いっすよ」を向けたい。


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